睡眠スケジュール法

夜もスケジュールを立てて、行動を変えていきます

食事に気をつけたり運動をしたりすることで、糖尿病や高血圧などの病気を改善することができます。

不眠症も生活習慣病の1つといえますが、これらの慢性的な病気の場合、薬による治療以上に、行動パターンを変えることが重要なのです。

無理に眠ろうとするのは逆効果!? 薬より大切な行動療法

不眠症の患者さんの多くは、睡眠に関連する行動に問題があります。眠くなっていないのに早い時刻から寝床についたり、朝目覚めているのに布団からなかなか出てこなかったり……。実は、眠れないのに長い時間、寝床の中で過ごすこと自体が、不眠症を悪化させてしまうのです。

患者さんの行動を変えていく治療法を、「行動療法」といいます。睡眠スケジュール法は、不眠症に対する行動療法の2本柱である「刺激制御法」と「睡眠制限法」を、1つにまとめて行うもの。

睡眠スケジュール法は、自分に必要な睡眠時間を確保しつつ、布団の中で眠れずに過ごす時間をなくすことが目標です。

まずは、「眠れないのに寝床でモンモンとするのは、人生の無駄である」ということをしっかり自覚しましょう。毎晩1時間、眠れないのに布団にいると、1年間で365時間、つまり丸々15日間も貴重な時間を浪費しているのです。これだけの時間を有効に使えたら、いろいろなことができそうですね。

睡眠スケジュール法の実践法

リラックス

寝つけなかったら、お気に入りの音楽を聴きましょう

それでは睡眠スケジュールの方法をご紹介しましょう。以下の手順に従って、さっそく試してみてください。






1.まずは睡眠日誌をつけて、プランを作る
最近2週間の睡眠日誌をつけて、平均睡眠時間を計算しましょう。それを「目標睡眠時間」とします。例えば5時間未満の場合は、5時間に設定します。

睡眠日誌には、寝床についた時刻や実際に眠った時刻、夜中に目覚めていた時間、朝目覚めた時刻、布団から出た時刻などを記入します。毎日の実際に眠っていた時間を集計して、1週間の平均睡眠時間を出します。(睡眠日誌の例はこちらをご覧ください。)

2.毎日、ほぼ一定の「起床時刻」を決める
就寝時刻と起床時刻のどちらが大切かというと、起床時刻です。人の体内時計は約25時間ですが、起床した後に明るい光を浴びることで、体内時計がリセットされます。また、最初に光を見てから14~16時間たつと、睡眠ホルモン・メラトニンが分泌されて眠たくなってきます。

3.起床時刻から目標睡眠時間を引いて就寝時刻を決め、実行する
起床時刻を午前6時、目標睡眠時間が6時間なら、午前0時を就寝時刻とします。ホルモンの分泌のリズムなどから言うと、24時までに眠ることをお勧めします。

4.決めた就寝時刻の前でも、眠たくなったら布団に入って目をつぶる
眠気が出てきたときが、もっとも寝つきやすくなります。設定した就寝時刻より前に眠ることはかまいませんが、あまりに早い時刻の場合は、体を動かしたりおしゃべりをしたりして、眠気をやり過ごしたほうが良いこともあります。

5.布団で15分たっても寝つけない場合は、寝床を出てリラックス
就寝時刻の前1時間ほどは、好きなことを行ってリラックスしましょう。寝床についたら悩まず、眠ろうと無理な努力もせず、ゆっくり呼吸していましょう。なかなか寝つけなければ、寝床を出て、できれば他の部屋で好きな音楽を聴いたり、軽い読書をしましょう。

6.再び眠たくなったら布団に入る
それでも眠れないときは、また布団から出てリラックスできることや自分の好きなことをして、眠気の訪れを待ちましょう。一晩のうちに5と6を、何回も繰り返すこともあります。

7.朝は決めた起床時刻に必ず起きて寝床を出る
起きる時刻が来たら、いさぎよく布団から出ましょう。カーテンを開けて光を部屋に取り込み、冷たい水で顔を洗うと、目が覚めてきます。カフェインを摂ったり、軽い運動をすることもお勧めです。

8.睡眠と性生活以外に寝床を使わない
よく眠れる人は「寝床=睡眠」という式が、頭の中にできています。ところが不眠に悩む人は、布団の中で眠れずつらい時間を過ごすうちに、「寝床=不眠」と考えるようになってしまいます。この考えを直すために、寝床はなるべく眠るためだけに使いましょう。

9.眠くても日中や夕方の昼寝・居眠りはしない
一般的に短時間の昼寝は良いことです。しかし、睡眠スケジュール法を行っているときには我慢して、仕事や学校、趣味など日中の活動を続けてください。日中に長く目覚めていることで睡眠欲求が高まり、夜に眠りやすくなるからです。

10.上記の2~9を1週間続ける
睡眠スケジュール法を始めたあとも、睡眠日誌は続けましょう。眠れるようになると、日誌を見ているだけで嬉しくなってきます。うまくいかないときでも、その原因や対策のヒントを睡眠日誌から見つけることができます。

11.睡眠効率があがったら、目標睡眠時間を15分増やす
寝床にいた時間のうち、実際に眠れた時間の割合を「睡眠効率」といいます。1週間の総睡眠時間と寝床にいた時間の合計から、1週間の睡眠効率を出しましょう。1週間にわたって寝床にいる時間の85%以上眠れるようになったら、目標睡眠時間を15分増やし、上記の2~9を続けてください。

いろいろな事情で日によって睡眠効率が違うことがあるので、1週間単位で見ていきます。

12.睡眠効率があがらない場合は、目標睡眠時間を変えない
睡眠時間が少なく、85%未満のときは、目標睡眠時間を変えずに上記の2~9を続けてください。睡眠効率が80%以下の場合は、目標睡眠時間を15分減らすこともあります。ただし、目標睡眠時間は5時間を下回らないようにしましょう。

【関連サイト】
6つのルールでグッスリ眠る!刺激制御療法
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