レトロ機材のリバイバルが目白押し
そのように単純なアプリに向いているということで、続々と登場しているのがレトロ機材の復刻版です。前述のiELECTRIBEはレトロというほどではないものの1999年に発売されたKORGのELECTRIBE-Rをベースに復刻したもの、そしてiMS-20は1978年に生まれたMS-20を復刻した、まさにレトロシンセです。
また、ReBirthはRolandのレトロドラムマシンおよびベースマシンであるTR-808、TR-909、TB-303を1996年にスウェーデンのPropellerheadがWindowsおよびMac用に復刻したソフトシンセです。しかし、2005年に開発が中止され殿堂入りしてしまったのですが、それがiPad版として復活したのです。
USBオーディオのサポートが火をつけた
iPadのDTMがすごいのは、このようなアプリの充実というところだけではないのです。Apple自体は公式には何のアナウンスもしておらず、サポートもしていないのですが、最初からUSBオーディオをサポートしていたというのが大きなポイントです。ご存知のとおり、iPadにはUSB端子なんてありません。でも拡張コネクタであるDOCK端子にCamera Connection Kitというものをつなぐと、USB端子を装備することができ、その先にUSBオーディオインターフェイスを接続すると、使えてしまうんですね。
iPadに装備されているオーディオ入出力機能自体も、結構いい性能を持っています。でも、やはりそれでは物足りないという人も少なくないはず。そこでUSBオーディオインターフェイスを使えれば、世界が大きく広がりますよね。
たとえばRolandのUA-1GのようにS/PDIF(デジタルオーディオ)の入出力を持っている機材なら、iPadの音を劣化させることなく、外部へ出力することが可能になります。またiPad本体のオーディオ入力はモノラル限定ですが、オーディオインターフェイスを使えばステレオ入力が可能になるのも大きなポイントでしょう。