マジコンを潰すマジックマスター

ニノ国をプレイするユーザーの図

もちろん、本来はマジックマスターなんてなくても、ゲームを買わずにコピーしたデータで遊んではいけません。それでは泥棒とおんなじです。

実はこのマジックマスターという本、マジコン対策ではないか、と言われています。マジコンとは、ゲームデータをコピーして使うことができるツールですが、商品を買わずに違法にコピーしたゲームデータで遊ぶユーザーがいることで大変な問題になり、販売業者などを相手にした訴訟も起きています。

こういった状況に対し、マジックマスターという本は意味を持ちます。何しろ、この300ページ以上もある立派な本がなければゲームを攻略できないとなれば、マジコンでコピーしたゲームだけを持っていても意味がありません。

マジックマスターはコピーしたりインターネットなどに内容を転載することを禁止していることからも、マジコン対策であることがうかがえます。つまり、ゲームをデジタルデータだけではなく、物理的な本にまで広げて作ることで、マジコン対策の一環とした、という側面がマジックマスターにはありそうです。

レベルファイブの戦いとダンボール戦機

イナズマイレブンの図

イナズマイレブンは、ジワジワと売上を伸ばしてビッグタイトルに成長しました。(イラスト 橋本モチチ)

マジコン対策をした結果、問屋やお店が割を食ってしまったとしたら、なんとも残念な話ですね。しかし、レベルファイブはこれでは終わらない、そういう期待感もあります。その理由は2つ。

1つは、レベルファイブは長期にかけて販促戦略を立てて販売本数を伸ばしていく実績を持っているメーカーであること。今でこそビッグタイトルになったイナズマイレブンシリーズ、2010年7月に発売されたイナズマイレブン3 世界への挑戦 スパーク/ボンバーは約85万本を売り上げていますが、初代イナズマイレブンの初週売上はなんとたったの約4万本。ニノ国の17万本が決して数字として小さくないことがよく分かりますね。イナズマイレブンはそこからジワジワとアニメや漫画などのメディアミックス戦略で盛り上げて、今やビッグタイトルに成長しています。

理由の2つ目は、レベルファイブは今回も売上を伸ばせることを証明しなければいけない立場にいることです。誰に証明するのか、流通にですね。レベルファイブは2011年3月17日にPSP用の新作タイトル、ダンボール戦機の発売を控えています。しかも、今度はこのダンボール戦機の全てのソフトに、ゲーム中登場するロボットのプラモデルがつくというではないですか。当然、お店はニノ国と同じ展開を警戒します。そうなると今度は営業的に、ニノ国は成功したと言える実績がどうしても欲しくなります。

様々なゲーム業界の問題や、力関係、そして可能性をもはらんで売られていくニノ国が、これからどうなっていくのか。なんとか頑張って売上を伸ばし、作ったメーカーも、売ったお店も、遊んだユーザーもみんながニノ国は良かったと言える終わり方を目指して欲しいですね。

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