包丁を研ぐには砥石選びから

「ステンレスの包丁を研ぐのにレンガ色の砥石を使って研いでいませんか?」
包丁の研ぎ方に関する講習会で講師も務める石田さんが生徒さんにこの問いを投げかけると、「きゃー私だ!」という声がたくさん上がるそう。「砥石には荒砥、中砥、仕上げ砥など目の粗さや原料の違いによる種類があり、その包丁に合った適切な砥石というものがあります」。硬めの性質であるステンレスや超硬金属は研ぎにくい材質なので削る力の強い砥石を選んだ方がよいとのこと。「一般向けには合成砥石(2種類の主原料が混合)が、鋼にもステンレスにも使えてお値段も手ごろなのでおすすめですよ」。ちなみにレンガ色の砥石は鋼の包丁に使います。

包丁を研ぐ時のポイント

正しい方法で研がなければ包丁が台無しになってしまいます。以下のポイントを頭に入れておきましょう。
  • 包丁の素材に合った砥石を選びましょう
  • 洋包丁と和包丁では研ぎ方が違います。洋包丁は両面に刃がついた「諸刃(もろは)」、和包丁は片刃が基本
  • 研ぐのは「刃」の部分。「平」の部分は研がない(平はコルクでお手入れを)
  • 刃は全体を一度に研ぐのではなく、全体を4カ所に分け、順次位置をずらしながら研ぐ
それでは洋包丁から、研ぎ方をみてみましょう(画像は教えていただいた話を元にガイド宅で研いでみたものです)。

洋包丁の研ぎ方

1.砥石を濡らし、包丁をのせる(砥石と刃の角度は常に一定に)
包丁

峰の下に10円玉を3枚重ねたくらい浮かせて研ぐ

砥石を約5分ほど水に浸してから、流し台などの上に濡らした雑巾(滑り止めのため)を敷き、その上に砥石を縦向きにのせる。包丁を斜め(砥石の縦線に対して約50度)に置く。刃を砥石に着け、峰の側は下に10円玉を2~4枚重ねたくらいの隙間を保つ。




 

2.包丁の表(おもて)を研ぐ
包丁表

左手の3本の指先で力を入れずに添えて、リズミカルに動かす。

刃元から切っ先まで4カ所に分け、順次位置をずらしながら、刃元から刃先へ向かって砥石の真ん中付近を使って研ぐ。指先に力を入れ過ぎないこと。研いだ部分の刃先を指の腹でなでた時にザラッとする感触は「カエリ」と呼ばれる金属のまくれ。これで研げたかどうかを確認する。次に研ぐ部分が真ん中へくるよう包丁全体を置き直し、表面を刃先から切っ先まできちんと研ぐ。

 

3.裏を研ぐ
包丁裏

表よりも軽く研ぐ

裏も表同様に刃元から切っ先まで4回に分けて研ぐ。刃の角度は表より少し寝かせた10円玉2枚挟んだくらいに保つこと。表より軽めに、刃先に出ているカエリが反対側(表側)にめくれるまで研ぐ。

 
4.砥石の裏の木台で仕上げる
包丁仕上げ

引き切りで刃先をきれいに。砥石の裏を傷つけたくなければ蒲鉾板で代用してもよい

仕上げに、砥石の裏の木台に刃を当てて軽く引き、刃先の細かい金属のカエリをとる。最後に包丁を水洗いして、刃と柄を十分に乾拭きして終了です。

 
続いて和包丁の研ぎ方をご紹介します >>