通勤時間と痴漢発生時間
痴漢のいない快適な電車は可能か? |
東京だけでなく、大都市が発展していくと、路線が伸びる先に向かって星形に、都市の周辺に住宅圏が広がっていきます。どんどん通勤時間が伸びていくのですが、その分、通勤時間短縮に役立つように急行・準急やライナーなどが増えてきました。急行などは普通電車に比べて、通過する駅が多く、それだけ車両のドアが開くまでの時間が長くなります。乗車率100%を越えるような混雑状態で、長い時間を過ごさなくてはなりません。
東京の平均的通勤時間は約一時間といわれていますので、30分以上50分程度までくらいの時間を電車内で過ごすことになるでしょうから、周囲の人に迷惑にならないように読書をしたり、新聞を読むなどして知的な行動をすることがよろしいのではないでしょうか。あるいは、出社時間を早めたりして朝の時間を有効に使うためと考えることも、「えん罪」被害を避けるということにもなるでしょう。
通勤電車に乗っていることから、摘発された男性のほとんどが仕事を持っている有職者であることは、頻繁に報道される痴漢容疑者たちの社会的地位からも分かります。女性の側も、見た目で痴漢を判断することは困難ということになります。痴漢を警戒して、時間差通学・通勤を心がけたり、通勤電車の混雑具合まで計算して居住地を決めるということも大切になってきます。(痴漢の防ぎ方については痴漢はイカン!遺憾!をご覧下さい)。
女性専用車両について
あまりにも電車内痴漢が多発しているために、女性の要望も強かったことから電鉄会社が導入した「女性専用車両」というシステムですが、年配の女性が乗っていると若い女性が冷たい視線で見たり、他の一般車両に乗っている女性がまるで痴漢を受け入れるかのように思われる懸念もあるなど、満点の対策ではないようです。が、少なくともその車両に乗っていれば痴漢被害は受けないのですから、やはり痴漢に困っていた女性たちには嬉しいシステムでしょう。反面、「ならば男性にも専用車両を」「男女平等の考えに反する」といった意見もあるなど、誰にとってもOKというわけでもないようです。しかし、男性が同性の痴漢という悪質行為を、同性として阻止するように働きかける行動が起きるようなことでもないかとも期待されます。
佐伯の提案
本来は痴漢など発生しない、男女誰にとっても快適な電車内であってほしいものですが、非常に混雑した現在の状況では難しいかもしれません。そこでたとえば、地域の防犯ボランティアグループなどが同一のスタッフジャンパーを着るように、電車内でも「痴漢撲滅」や「痴漢を許しません」「痴漢を捕まえることに協力します」といった意思を持った人が、たとえば「緑の羽根」をつけるような、何か目に見えるマークをつけるようになるといいのではないでしょうか?男性は痴漢を捕まえることに協力する、女性は被害を受けたら必ず周囲の協力を得て痴漢を突き出す、という意思表示を誰の目にも分かるようにするのです。何も目印をつけなくても、多くの人がそういう意思を持っていることとは思いますが、「女性専用車両」のほかに、これといった対策がなかなかないのが実情なのです。何か具体的な提案がある方は、ぜひお知らせ下さい。
いずれにしても、都市部の「通勤地獄」が「痴漢天国」とならないように、一人一人がぞれぞれの立場から警戒していくことが望まれます。