「大豆で栄養プロジェクト」のマスコミセミナーが開催されました。
今回は、このセミナーの中から、栄養や有効成分など大豆の魅力について、そして日々の中でどのように食事の中で取り入れたら良いのか、という点を中心にご紹介します。
当日は、石渡尚子教授(跡見学園女子大学マネジメント学部)が「大豆習慣であなたが変わる~現代人に広がる『低栄養』改善のために~」と題して講演し、セミナー後、管理栄養士の鶴田麻里子氏による大豆を使った料理の試食会も行われました。
カロリー制限は栄養不足のリスクも
大豆機能研究会代表
渡邊 昌氏
しかしながら、最近食卓に大豆・大豆製品が登場する機会は徐々に少なくなっていると指摘しました。
渡邊氏は、食は身近な問題であるためか玉石混交の情報が氾らんしており、なかでも「カロリー制限は長生きの元」という説があることを強く危惧していること、「カロリーを制限すれば、栄養不足になる」ことが懸念されると述べました。
大切なのは、適正なカロリーといろいろな栄養素を摂取すること。栄養バランスの整った大豆は、栄養過多も栄養不良も改善することができるすばらしい食材であると強調しました。
現代に広がる「低栄養」の問題
跡見学園女子大学
マネジメント学部
石渡尚子教授
今の日本人の摂取カロリーは終戦直後を下回り、世界的に見ると開発途上国並みに低くなっているとのデータも出ています。
そして大豆には、幅広い栄養素がバランスよく含まれ、第6の栄養素といわれる食物繊維、特定保険用食品として認可されている大豆イソフラボンなどが含まれていることをあげました。
さらに、肥満予防や肝障害、がん予防などへの効果が期待されている大豆サポニンは、成分単体では有効性を支持するデータは出ないため、「成分だけを取り出すのではなく、大豆そのままを摂取すべき」、また「薬に頼らず健康になるために、“天然のマルチサプリメント”と言っても過言ではない大豆の摂取が欠かせない」と強調しました。
大豆の魅力は、第一に栄養バランスのよさ
管理栄養士
鶴田麻里子氏
石渡教授と鶴田氏が強調するのは、「大豆は、これまで機能的な部分では多くの研究がなされ、広く知られてきたが、最大の魅力は大豆そのものに含まれている栄養素。三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)がバランスよく含まれているだけでなく、鉄分、ミネラル、ビタミン、食物繊維なども豊富で、大豆1粒には栄養がぎっしりと詰まっている。この点から、大豆は他の食品に負けないほぼ完全な栄養食と言える」ということでした。
次のページでは、大豆に含まれる栄養素についてまとめます。