食と健康/伝統食・粗食・素食

日本人は案外食べてない!? 大豆の栄養を見直そう(3ページ目)

健康や美容に役立つ食品というイメージが強い大豆。でも現代人は、意外に食べていないようです。大豆に含まれる栄養素や有効成分、そして食生活に取り入れるヒントをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


意外に大豆を食べていない日本人

大豆undefinedきのこundefined炊き込みごはん

ビタミンDが豊富なきのこと大豆の炊き込みごはん。

豆は、日本人が大昔から常食してきた五穀(米、麦、豆、粟、キビまたはヒエ)の中の一つに数えられています。先人たちは大豆としてだけでなく、大豆から豆腐や凍り豆腐などの加工品、みそや醤油などの調味料を生み出し、貴重なたんぱく源としてきました。大豆は、日本人の歴史と切っても切れない関係です。

けれども現代人は、「大豆は健康に良いと知りながら」意外に食べている量は少ないのです。厚生労働省の「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)によれば、豆類の摂取目標は1日100g以上。これに対して、国民健康・栄養調査の結果では、豆類の摂取量は1日56.2gとなっています。若い世代ほど、摂取量が少ない傾向にあります。

大豆には多様な加工品があるので、日々の食事にもっと大豆製品を取り入れることが必要ですが、大豆・大豆製品は1日にどのくらい食べればよいのでしょうか?

大豆undefined豆乳undefined親子汁

大豆と豆乳の親子汁

石渡教授は、「1日何gなどと量で考える必要はなく、『1日2回大豆・大豆製品を食べよう』と意識してください。1日2回にすると必然的に1回は和食になり、自然と摂取カロリーがおさえられます。大豆製品は安価で手に入りやすく、無理なく続けやすいと思います。」と提案されました。

また石渡教授に、「低栄養」の根本にある問題は何かという質問をしたところ、「単純に栄養不足という以前に、現代人の『健康観』の歪みが大きな問題です」と答えてくださいました。

「身体に良いといわれる食品ばかりを食べたり、エネルギー源となる食品を食べなかったり、低栄養というよりも栄養バランスの悪さが問題です。これは、各自の健康に対するイメージが歪んでいる上に、 何をどれだけ食べれば良いのか理解していないことが原因と思われます。栄養に関する情報源は種々ありますが、政府の食育ページをみれば、性別・年齢・生活活動の強さ別に、何をどのくらい食べれば良いのか知ることができます。 これをベースに2~3日間で食事内容を調整すれば、栄養バランスはかなり改善され、栄養過多も栄養不足も解消できます。」とアドバイスしてくださいました。

食は人間にとって楽しみでもあるので、外食やスイーツなどトレンドもあってよいと思いますが、健康を支える食事というものは、本来ファッションのように流行廃りのあるものではないはずです。情報に振り回されすぎずに、地道にバランスのとれた食事を積み重ねることが大切なのではないでしょうか。


大豆で栄養プロジェクト(SNIJ広報事務局)
参考/
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(食品安全委員会)

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