出雲の国

玉造温泉と言えば美肌の湯として有名だ。昨今の神社仏閣ブームではないが、縁結びの総本山とも言われる出雲大社近くでもあり、川沿いにはホテルや旅館が昔ながらの風情を残しつつ軒を連ねる。

華仙亭有楽という宿を予約したのだが、この旅館の夕食サービスがとてもユニークなシステムになっている。日本旅館であれば普通は宿で地元の郷土料理等々がついているものだのだが、有楽では松江市内のレストランとお提携し、送迎付きで「外食」ができるシステムになっているのだ。

その中に、松江郊外の上乃木の丘に建つ一戸建てレストラン、ムーランドールがあった。名前からしてクラシカルフレンチが想像できる。玄関脇の厨房からはフォンの香りが漂い、入店前からその香りだけで食欲が高まる。

歴史を感じる店内はブルゴーニュの田舎にあるレストランを髣髴とさせる雰囲気。ウッディな床はこれまでの時間をゆっくりと刻み、ここが街の美食家に長きに亘り愛され続けてきたことが僅かながらもわかるようだ。
松江

ブルゴーニュやリヨンのビストロのような雰囲気の店内


小さな前菜の盛り合わせも、バラエティに富んでいる。スモークサーモンのロール、キノコのグラタン、サバのリエット。特段びっくりするものはないのだが、どれもワインに合わせて味覚の拡がりが楽しめる。
ムーランドール

素朴だが、どれも印象に残る小さなアミューズ