名古屋の観光・旅行/名古屋 自腹メシ

魚めし 竹亭 名古屋自腹メシ第12回

ガイドが実際にお客として足を運んだおススメの居酒屋を紹介する「自腹メシシリーズ」。第12回は伏見の「魚めし 竹亭(ちくてい)」。知多半島・師崎港から直送の新鮮魚介を中心に、本当にうまい魚がお値打ちに食べられる1件だ。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

名古屋近郊の師崎港などから
ぴちぴちの魚介を直送

竹亭

落ち着いた雰囲気の店構え

ガイドが実際にお客として足を運んだおススメの居酒屋を紹介する「自腹メシシリーズ」。久々の第12回は伏見の「魚めし 竹亭(ちくてい)」です。

場所はオフィス街・伏見の一画で、御園座の裏あたり。大人向けの居酒屋や飲食店が数多く軒を連ね、これだ!という一軒を探して歩くのも楽しいエリアです。

竹亭・カウンター

笑顔を絶やさないご主人(右端)に魚の解説をしてもらえるカウンターもおススメ

そんな中、「魚めし 竹亭」は戦前築の元料亭をそのまま活かした落ち着いた構えが、ひときわ大人のムードを醸し出しています。オープンは平成16年。大阪で和食の修行を積んだご主人の内田竜一さんが「本当にうまい魚を出す店を名古屋につくりたい」との思いで始め、市場を通さず漁港から直接、水揚げされたばかりの海の幸を仕入れています。


元料亭の店舗は渋いお座敷個室で会食できる

竹亭・個室

元料亭らしく個室もたくさん

筆者は普段、その日のおススメや好みのものを単品で注文することにしているのですが、「ウチはコースが断然おトクです!」とご主人。この日は仕事仲間との会食ということもあり、3500円の浜コースをお願いすることにしました(コースは他に磯コース4800円や沖懐石6500円、天然魚ちり鍋コース5500円、天然クエ鍋コース1万5000円などがあり)。

通されたのは2階の個室。小ぢんまりとした8畳間で、3人での会食にはぴったりです。元料亭だけあって2階はすべてお座敷個室で、大きさもいろいろバリエーションがあるので、少人数から大人数まで対応してもらえます。

鮮度バツグンの刺身に舌鼓
桶盛り鮮魚からのお好みチョイスも

さて、お待ちかねの料理です。付き出しは手作りの本にがり豆腐。大豆の甘みと香りが凝縮され醤油をかけずにおいしく食べられます。

竹亭・刺身盛り合わせ

ツヤツヤでいかにも新鮮そうな刺身の盛り合わせ

続いてはお刺身の盛り合わせ。この日は宮城・気仙沼から直送の本カツオとサンマ、愛知・師崎産のサワラのたたき、黒ダイ、ヒイカ。これがどれもみずみずしく、脂が乗っていて美味。中でも筆者が魅了されたのはヒイカ。小ぶりのヤリイカの仲間で、とても柔らかくてうまみも濃いんです。師崎は名古屋近郊の中でも特に良質の魚介の宝庫。ここのとびきり新鮮かつ多種多彩な海の幸を腹いっぱい堪能できるのが、この店の何よりの魅力なんです。

竹亭・てんぷら

穴子の一本揚げなど天ぷら盛り合わせ

その後、サービスの骨せんべいをはさんで天ぷら。穴子の一本揚げにカボチャ、レンコン、さつま揚げの盛り合わせ。穴子は脂がたっぷり乗っていて、サクッと軽い揚げ具合も絶妙でした。





竹亭・桶盛り

桶盛りの鮮魚。お好みの種類を焼・煮のいずれかで調理してくれる

魚のぴちぴちぶりをさらにアピールしてくれたのが、お次のお好み調理。調理前の魚たちを桶に盛って目の前まで運んできてくれ、その中からお好みを1人1尾(もしくは一切れ)選んで、焼・煮のいずれかで調理してくれるのです。

この日の鮮魚は師崎産のシズの他、サンマ、シャケ。筆者が選んだのはシズ。イボダイとも呼ばれる銀色の丸っこい魚です。調理法はおススメにしたがって煮つけ。ぽろんと身ばなれがよく、弾力があり、味はさっぱり。名古屋の煮つけは一般的に味が濃いのですが、ご主人が大阪で腕を磨いただけあって上品な薄味で仕上げられています。同行の知人はそれぞれサンマとシャケを焼き魚で注文。こちらも香ばしくて見るからにうまそうでした。

生から炊き上げる名物の魚めし
おみやげにはおむすびも

竹亭・魚めし

この日の魚めしは鯛

そして、締めは名物の魚めし。鯛めしが基本ですが、その日の仕入れに応じて黒鯛や太刀魚など鮮度のいいネタを使います。普通は臭みをとるため魚を焼いてから炊くのですが、新鮮だから生のままで米と一緒に炊き上げられるとのこと。その分、魚のうまみがご飯にしっかりしみ渡っています。味付けは昆布と塩だけなので、魚の風味が存分に堪能できるのです。


竹亭・おむすび

魚めしのおむすび。ゴマをまぶしてあるのが気が利いてます

優しい味わいなのでお茶碗二膳分くらいぺろりといけちゃうのですが、ここは我慢してひと口分だけ残すのがおススメ。残った分はおみやげ用におむすびにしてくれるのです。冷めてから食べると、魚の甘みがより際立ちこれまたウマイんです。

これで3500円は確かにお値打ち。筆者にはちょうどよい量でした。一品物も豊富にあるので、食欲旺盛な人は途中で追加オーダーをはさんでもいいでしょう。

さてさて、自腹メシシリーズの取材をかねての会食だったのですが、今回は同行者にオゴってもらってしまいました(ごちそう様でした)。というワケで領収書の写真はありません。ちなみにお酒も飲んで1人4000円少々だったハズです。自腹もどきシリーズになってしまいましたが、自腹を切ってでもいきたい店であることは変わりありませんので、皆様どうぞ足をお運びください。

魚めし 竹亭
住所:名古屋市中区栄1-10-9
アクセス:地下鉄伏見駅より徒歩2分
TEL:052-221-7751
営業時間:11:00~13:40、17:00~22:30(土・祝は22:00まで)
定休日:日曜
地図:Yahoo!地図情報

シリーズ 名古屋自腹メシ バックナンバー
第1回 「JIROMAL」(※閉店)
第2回 お番菜と酒 「おっこん」 (栄)
第3回 うどん家 「匠庵」 (錦)
第4回 焼酎居酒屋「モモガッパ」 (錦)
第5回 貝と地酒 「杉むら」 (栄)
第6回 「どての品川」 (堀田)
第7回 「島正」 (伏見)
第8回 「雑炊 いちい」 (錦→伏見へ移転)
第9回 「ふじ原」 (久屋大通)
第10回 「きんぼし」 (伏見)
第11回 「大甚本店」 (伏見)



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