名古屋では珍しい立ち呑み屋。
毎日が縁日のような下町の老舗

「名古屋自腹メシ」シリーズ、第6回は「どての品川」です。
店名にある“どて”は、モツ肉や牛スジを赤味噌でぐつぐつと煮込んだ名古屋ではおなじみの味。味噌カツもこのどての鍋に串カツを入れて食べたのが始まり、という説があり、ここでは、どて味噌串カツ、2つの名古屋の庶民派グルメを味わえます。
どての品川
堀田は、名古屋の人は普段あまり足を運ばないような場所。だが、名古屋駅から名鉄で10分と実はアクセスもよく、外来者でも行きやすい



場所は名鉄堀田駅の近くで、大通りからふた筋中へ入った小さな商店街の一画。赤ちょうちんを目印に進んでいくと、店先に人だかりができた屋台風の小さな店が見つかります。

店長
店長は3代目。お父さんお母さんも店に立つ家族経営だ。カウンターなら揚げたて、焼きたてが次々と目の前に!
バラック風(失礼!)いかにも年季を感じさせる店は創業昭和34年。下町で長年愛され続けている老舗らしく、軽く一杯引っかけにやってくるご隠居さんや、持ち帰りを何十本とまとめ買いしていくおばちゃんなど、ご近所の常連さんが入れ替わり立ち替わりやって来ます。その他、家族連れやわざわざタクシーで乗りつける会社員のグループ、さらには若い女性グループの姿も。幅広い世代から愛されていることがうかがい知れます。

店内にテーブル席と座敷もあるのですが、断然オススメはカウンターでの立ち呑み。見知らぬ人と肩寄せ合いながらワイワイと串をつまみ、ビールを空ける。縁日のようなにぎやかさを楽しめます。

味噌とてり。2つの味で名物・どてと串カツを食べ比べ

鍋
鍋からはおいしそ~な香りと湯気が立ち上ってくる
カウンターにどん!とふたつ並べられているのが2つの鍋。味噌味だけじゃなく、醤油ベースのてり味があるのがこの店の特徴です。鍋にはそれぞれこの2種類のダシがはってあり、ぐつぐつとおいしそうな湯気を立てています。味噌味は、八丁味噌をベースに独自のブレンドを施した味噌に肉のダシを加えたもの。てりは、かたくり粉でとろみ、砂糖で甘みをつけています。いずれも煮込んでいくにしたがい具材のうまみが加わり、コクやまろやかさが増していきます。


どて
つやつやのどて。つけ合わせのキャベツは食べ放題
串カツ
串カツは味噌とてり、お好みの味の鍋に直接どぼん! 

何はともあれ名物のどてと串カツを、味噌とてり、2つの味で食べ比べ。串カツは揚げたてがどんどん盛られていくので、これを自分で取ってお好みのタレの鍋へどぼん! 熱々でカリッ!とした食感は揚げたてならではです。どては鍋につけてあるので、しっかり味のしみ込んだものを選んで取っていきます。材料のモツは毎朝生の固まりを仕入れているそうで、実に柔らかく、それでいてぷりっとした弾力もあり。これで串カツは1本70円、どては80円! や、安いッ!!

味噌は赤味噌特有のまろやかな甘辛さ。かなり甘いんですが、意外とさらっとしていて後に残らないので、ついつい1本また1本と進んでしまいます。てりもやはり甘辛ですが、こちらは上品で深みのある味わい。個人的には串カツ×味噌、どて×てりの組み合わせが最高でした。

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