漢方・漢方薬/アトピー・アレルギーの漢方

漢方薬

漢方薬は、自然の生薬の組み合わせたエキス製剤です。西洋医学に無い考え方で処方されます。アレルギーや膠原病で漢方薬が使われます。主にアレルギーで使われます。きちんと使用されれば、効果があります。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

漢方薬

生薬と言って自然の植物を中心に作られるのが漢方薬です
漢方薬の使い方は、西洋医学と考え方が全く異なり、漢方薬独自の言葉があります。
  • 「証」(しょう)→全身状態を示します
  • 「陰陽」(いんよう)→炎症の有無を示します
  • 「虚実」(きょじつ)→体力の質的充実度を示します
例えば、体力が乏しい場合は「虚証(きょしょう)」と診断し、充実している場合は「実証(じつしょう)」と診断します。このように、炎症の程度、体質の強弱で診断して、漢方薬を選択がするのです。漢方薬は、自然の生薬の組み合わせたエキス製剤です。植物の成分が多く、様々な成分が微妙に体に働いています。成分のバランスが重要で、証や陰陽虚実、つまり炎症の状態や体の状態にあった漢方薬が必要とされます。もちろん、漢方薬にも副作用はありますので、注意は必要です。

■漢方薬の飲み方
漢方薬は飲みやすくしているとはいえども、一般的に苦くて、飲みにくいものです。まさに「良薬口に苦し」。しかし、子どもに飲ますのは難しく、大変です。お子さんに飲ませる場合は甘いものに混ぜたり、オブラートやゼリーに入れて飲ましてみましょう。

実際に使用される漢方薬です。

■葛根湯(かっとんとう)
比較的体力のある方で、感冒などの風邪、炎症性疾患、鼻かぜに使用されます。市販されていますので有名ですね。

■五虎湯(ごこうとう)
咳、気管支喘息に使用されます

■柴朴湯(さいぼくとう)
気管支喘息や咳に使用されます。特に気分がふさいで、のどなどに異物感のあるときに使用されます。

■小柴胡湯(しょうさいことう)
急性に熱の出る病気に使用されます。風邪や気管支炎、肺炎などの補助的です。体力は中等度で上腹部がはっている場合や消化器症状のある場合に使われます。肝炎の治療として使われますが、インターフェロンを使用している場合は中止が必要です。
副作用:間質性肺炎や筋肉の病気があります

■小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
気管支炎や気管支喘息に使用されます。特に、鼻水、鼻炎にも有効と言われています。

■麦門冬湯(ばくもんどうとう)
痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息に使用されます。

■麻黄湯(まおうとう)
感冒、気管支喘息に使用されます。特に、この漢方薬はインフルエンザの初期に効果があります。免疫を調整する作用から、関節リウマチに使用されます。

■麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
気管支喘息で使用され、特に咳のひどい、喘鳴もあり、のどが渇く時に有効です。

アトピー性皮膚炎で使用される漢方薬


■治頭瘡一方(ちづそういっぽう)
湿疹の赤みや熱感がひどい場合、ジクジクがひどい場合などに使用されます。

■補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体質改善として、幼児で胃腸虚弱な場合、学童で食物アレルギーがあって化膿しやすい場合、疲れやすく気力不足でむくみっぽい場合などに使用されます。

■十味敗毒湯
体力中等度で、全身にある湿疹で、ジクジクしていない場合に、効果があったという報告があります。

■消風散
比較的体力があって、熱感のあるジクジクして痒い湿疹のある場合に使うと効果があったという報告があります。

■柴胡清肝湯
体力が低下し、皮膚が浅黒く、扁桃やリンパ節に炎症や腫れを起こしやすい場合、約半数で効果があったという報告があります。

(参考「漢方薬でアトピーは治るの?

次に、今まで紹介した以外でアレルギーや膠原病で使用する治療を紹介します
   ⇒アレルギー症状への治療  >>
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