シトロエンのハイドロに肩を並べる乗り心地
オールロードクワトロをSUVたらしめる、その一番の特徴はエアサスペンションにあります。これによって車高を4段階に調整ができるのです。岩がゴロゴロしているような路面状況が悪い場所では車高を208mmとする「ハイレベル2」に。砂利道などは192mmの「ハイレベル1」、通常走行時は167mmの「ノーマルレベル」、高速走行時は142mmまで車体を低くする「ローレベル」へ。これらは車内のボタンひとつで選ぶことができるのです。また80km/Lを超えると自動的にローレベルになるなど、速度に応じても切り替わります。
DVDナビを含む「MMS(マルチメディアステーション)」が標準装備。2.7Tは本革&電動&シートヒーターが標準となり、4.2はさらにスポーツタイプのシートになります
逆に、その背の高いSUVたちと違うのは、やはり通常走行時および高速走行時の快適性でしょう。そもそも物理的に背の低いほうが、カーブなどでは当然有利。しかもオールロードクワトロは、時速80km以上になると自動的にローレベルになります。それにカーブといっても、山道だけではありません。普通の道も十分曲がりくねってます。なにしろ国土の狭い日本では、高速道路ですらまっすぐな道のほうが少ないのですから。
エンジンは2.7Lのツインターボと、4.2Lの2種類。ミッションはいずれも5AT。2.7Lでパワーは十分どころか、切れ目のないトルクの盛り上がりが気持ち良いくらいです
加えて、例え10年近く前の車とはいえ高級車ですから、車内の設えに不満がでるはずもありません。本革&電動シート(2.7 SVを除く)、左右独立エアコン、6連奏CDチェンジャー、クルーズコントロール、ウォールナットパネル(2.7 SVを除く)等々。これが100万円台で手に入るのですから「Q7やQ5が値落ちするのを待って……」いる必要はありませんよね?
また落ち葉が雨で濡れた路上を覆ったり、うっすらと雪が路面を白く染めた時でも、アウディ自慢のクワトロやESP(横滑り防止装置)によって車を安心して走らせることができます。
そんな高級SUVが100万円台で買えるのです。同じ価格帯のSUVというと、レガシィアウトバック(旧型)やXC70(旧型)といったライバルたち。これらは年式的にはオールロードクワトロより高年式車が狙えます。またBMW X5(旧型)やM・ベンツMクラス(旧型)も射程圏内。しかし、エアサス+クワトロという魅力はオールロードクワトロにしかないのです。この乗り心地と安全性は、日本という土地でこそ生きるのではないでしょうか。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。