愛猫の健康状態を把握しておこう

お目々キラキラは健康な証拠
お目々キラキラは健康な証拠
「今日は何となくだるいな~」「お腹が痛い」「頭が痛くて熱があるみたい」。人間だったら言葉で自分の体調不良を伝えることができますが、猫は自分の体調変化を言葉で伝えることができません。また、猫は具合が悪いことを隠そうとします。自然界では弱っているところをみせると、すなわち死につながるので、本能的に弱っていることを隠すのが上手なのかもしれません。

毎日愛猫と触れ合って、健康状態をチェックしましょう

毎日愛猫と触れ合って、健康状態をチェックしましょう


飼い主が見て明らかに様子がおかしいと思うときは、かなり病状が進行している可能性があります。子猫だと、ちょっとした下痢や風邪引き程度でも命に関わりかねませんし、若い猫がぐったりしてしまったら重篤な病気の可能性があります。猫の様子を毎日観察し簡単な健康チェックを行い、おかしいと思うことがあれば、すぐに適切な治療を受けてください。ここでは、猫の家庭での健康チェックや、動物病院での健康診断を紹介します。

毎日行いたい健康チェック

■見る……毎日猫の様子を観察
どんなに高名な獣医師より、毎日身近で接している同居人が猫の一番の主治医になってください。1日の猫のリズムを覚えて、「なんだかいつもと違う」と思うことがないか確認しましょう。
  • 猫はよく眠りますか?
  • 猫はよく遊びますか?
  • 猫はよく食べていますか? お水を飲んでいますか?
  • 猫のオシッコ・ウンチに変化はありませんか?
  • 猫はセルフグルーミング(猫が自分で身体を舐めてきれいにする)をしていますか?
同居人はどんなに忙しくても、毎日この5点だけは必ずチェックしておきましょう。また、猫の体温、脈拍、心拍、呼吸数などを毎日計っておくと、もっと詳しい猫の体調管理が行えます。

動物病院で猫の体温測定を行うときは、猫のお尻に体温計を2cmほど入れて計る直腸温が一般的です。マイクロチップにも体温測定機能付きのものがあり、こちらで計れるのは皮膚に近い温度なので直腸温より低い傾向で、活動的であったり睡眠中であったりすると体温の差が出ます。日頃から平均値を取っておくと便利でしょう。

生まれたての子猫の平均体温は35.5度~36.1度程度で、成長と共に体温は徐々に上がっていき、生後8週頃には38度台になります。大人猫の平均体温は38.4度~38.8度くらいで、一般的には38度~39度であれば問題ないとされます。子猫の方が全般的に体温は高く、老猫になると下がってきます。自宅ではいちいち直腸温を計るより、落ち着いているときの猫の耳を触ってひんやり感じられたら平熱、ずっと静かにしているのにほかほか熱く感じられたら熱が出ているかも知れない、と判断すればよいでしょう。耳で感じる体温は、猫が活発に動いているときや眠たくなってきたときは熱く感じられ、静かにしているとき寝ているときはひんやり感じられます。

猫の脈拍は、後ろ脚の股の動脈に指をあてて計ります。1分間に130~160なら正常です。心拍数は聴診器か胸に耳を当てて直接心臓の音を聞き、1分間に100~130拍なら正常とされます。どちらも15秒数えて4を掛けるか、30秒数えて2を掛けてもOKです。

呼吸数は、横になっておとなしくしている猫の胸やお腹の上下数を数え、1分間で20~30回なら正常。呼吸数を数えるときは、口で息をしていないかなど全体の呼吸状態を確認しましょう。

■触る……グルーミングタイムでわかる猫の健康状態
毎日少しでも猫の身体を触っていると、猫の体温や皮膚・毛に変化があれば気がつくようになります。猫の全身を触ることで、身体に傷がないか? 腫瘍などができていないか?などの異常を早期発見することができるでしょう。

長毛種は、最低でも2~3日に1回はクシを使って毛を梳かしてあげてください。短毛種であれば、頻繁にクシで梳かす必要はありませんが、全身を撫でて無駄毛を落としてあげると、猫が自分で行うセルフグルーミングで身体の中に取り込む毛の量を減らすことができます。

猫をグルーミングする時は、下記の項目をチェックしましょう。

  • 生き生きと輝いていて両目とも均等に開き、目やに・涙目・充血などありませんか?

  • 耳の中はきれいですか? ネチャネチャした黒っぽい耳垢がたまっていたり、変な臭いがしたり、痒がって耳を気にするそぶりはありませんか?

  • 活動中は適度に湿り気を帯びていますか? くしゃみや鼻水は出ていませんか?

  • 嫌な口臭がせず、舌や歯茎はきれいなピンク色で涎が垂れたりしていませんか?
  • 呼吸
    呼吸が乱れていたり、息づかいが荒くはないですか? 咳は出ませんか?
  • 被毛
    毛がツヤツヤしていて、きれいですか? 毛並みに沿って指がスムーズに通り、触った後指がネバネバしたりしませんか? 毛が抜けていたり、過度にセルフグルーミングしている箇所はありませんか?

  • 爪の間や生え際が汚れすぎていませんか?
  • 皮膚・筋肉
    皮膚に弾力があり、皮膚をつまみ上げてもすぐにもとに戻りますか? 皮膚に赤みや湿疹はありませんか? 筋肉は引き締まっていていますか?
  • 全身状態
    身体に傷やしこりがなく、歩いたりジャンプが問題なくできていますか? 急に痩せてきた、太ってきた、お腹がふくらんで来たなど体型に変化はないですか?
  • シッポ
    シッポは自由に動きますか?
  • お尻まわり
    肛門付近は汚れていませんか? 肛門はキュッと閉まっていますか?
  • メスであれば乳腺
    しこりはありませんか?
  • トイレチェック
    トイレに行く回数が増えたり、入っている時間が長くなっていませんか? 尿や便に血が混じっていませんか? 水を飲む量が急に増えていませんか?
■感じる……いつもと同じ? なんか違う?
毎日猫の様子を見ている同居人だからこそ、ほんの些細な体調変化も感じ取ることができます。今日はいつもより長く寝いてるとか、ご飯を残してしまった、トイレに行く回数が多い、水を飲む量が多いなど、猫のいつもと少し違う行動がおかしいと感じれば、迷わず動物病院に相談しましょう。 

動物病院で行う健康診断

最近は猫ドッグというコースを設けて、年齢別で必要な検査を加えた健康診断を用意している動物病院が増えてきました。猫の健康診断は若くて健康状態のよいときに一度受けて、その猫の基準値を知っておくと、その後年齢を重ねて行う定期的な健康診断と数値が比較できます。

健康状態に問題がない猫であれば、初回の健康診断は避妊・去勢手術の時に、その後は2年に一度お誕生月に、7歳を過ぎたら毎年、10歳を超えたら半年に1回受けさせてあげたいものです。健康診断は、毎回同じ時期に受けるのが望ましいとされています。これは、一般的なの猫ドッグの内容です。猫ドッグの内容・検査時間・金額は動物病院によって違いますので、直接行かれる病院にお問い合わせください。

  1. 問診と心拍測定、心臓の音の聴診、体重、体温を測り、触診で全身を診る検査項目:全身状態、被毛/皮膚、眼、耳、口腔、鼻腔/頚部、四肢、リンパ節、神経系 、肺/胸腔、心臓、腹部、消化器系、泌尿生殖系
  2. 24項目の血液化学検査で、全身状態や腎臓・肝臓・糖尿・消化器系そのほかを診る
  3. レントゲン検査で胸部、腹部(胸部横臥と伏臥、腹部横臥と仰臥)の臓器を撮影
  4. エコー(超音波診断)で心臓と内臓を診る
  5. 心電図検査
  6. 糞便/尿検査

同居人の観察力があれば、診察の手助けになります。日頃の家での健康管理と、動物病院での総合検査を合わせて猫が健康に過ごせるよう気を配ってあげたいものです。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。