公園、商業施設に阻まれて駅周辺の分譲物件は希少
井の頭や五日市街道から井の頭公園間の吉祥寺南町あたりにはこんな一戸建てが並ぶ |
新築マンションの供給の中心は70平米、80平米以上の3LDK、4LDKといったファミリータイプ。立地でかなりばらつきはあるものの、4500~6000万円超の予算は考えておいた方が良いでしょう。
中古マンション相場は当然ながら、人気を反映して周辺よりも高め。ただ、中古も物件数は少なく、駅から10分圏では古い建物が多いため、専有面積が50平米程度の狭い物件も目につきます。商業地域内なので、便利ではあるけれど、日当たりなどの居住環境はいまひとつという例も。子どものいる家族なら、駅からは遠くなっても住宅街立地を選ぶほうが賢明かもしれません。価格の目安は70平米で4000万円~です。また、ここでも武蔵野市アドレスは希少で、武蔵野市内にある物件なら築40年以上でも5000万円前後はします。
一戸建ての場合はさらに遠くなります。武蔵野市内でなく、調布市深大寺東町、南町、三鷹市新川、練馬区立野町、関町……。歩いて10数分、あるいはバス便などという立地でも新築で土地面積が100平米超あれば4000万円以上は必要です。中古では3000万円から3億円以上まで幅が広く、予算次第というところです。
賃貸物件はシングルからカップル、ファミリー向きまで種類豊富
シングル、カップル向きの賃貸なら徒歩10分圏でも探せないことはないが、日当たりなどはあまり良くない |
賃料相場はワンルームマンションで7万円~、同アパートで6万円~、2DKマンションで11万円~、同アパートで9万台後半といったところ。バス便利用が多くなりますが、3DKマンションなら13万円以上です。
もし、もっと家賃が出せるなら、大家さんの敷地内に建てられたテラスハウスや、元は離れだった建物、設備の整った一戸建てという選択もあります。カップル、ファミリー向けには10数万円から20万円台のデザイナーズ物件もかなり増えました。
安定した財政に手厚いサービスも魅力
平成7年にスタートしたムーバスは100円均一で市内を循環 |
駅周辺でバリアフリー化、
再開発の計画も進み始めた
足回り、生活ともに便利で住環境にも、自治体サービスにも他の街にない魅力のある街、吉祥寺。さらに今後は長年懸案となってきた南口駅前地区の再開発がいよいよ動き始める予定となっています。2012年には三菱地所が吉祥寺南口駅前再開発準備組合が事業協力者として財団法人首都圏不燃建築公社、三菱地所レジデンスを選定し、具体的な計画策定に着手したとのプレスリリースを出しており、進展が気になるところ。
そもそも、再開発の必要性、計画案については1962年時点で市議会の議案とされており、それからすでに47年。その後も計画が出たり、消えたりが繰り返されていましたが、今回はいよいよ実現されるのでしょうか。小さな区画が多く、地権者も多いと聞きますから、早期の進展は難しいかもしれませんが、通行人をかすめてバスが通る危険な状態はなんとかしていただきたいところです。
*2005年作成の記事に2013年1月、2015年1月時点で修正、加筆。
【シリーズバックナンバー】
Vol.1「ハイソで国際的な下町『広尾』」
Vol.2「中央線文化漂う住宅街『荻窪』」
Vol.3「千葉県有数のお屋敷街『市川』」
Vol.4「粋と新しい便利さの街『神楽坂』」
Vol.5「元気、でも静かな街『学芸大学』」
Vol.6「情報感度高い大人の街『表参道』」
Vol.7「人に自然に優しい街『自由ヶ丘』」
Vol.8「季節感と情緒、グルメの街『浅草』」