まずは運動能力の自覚と、無理のないジョギングから
昔とった杵柄とはいえ、運動習慣がないと空回りする?
運動不足を認識しているなら、まず自分の現状を把握することが大切。事前に体を動かしてみたい、少し走ってみたりして、脳に今の自分の運動能力を意識させましょう。速く走ることへの即効性はありませんが、ケガの予防にはなります。
現状を把握できたら、今度はその中で最大限にできることを行っていきましょう。「子供の運動会のためだけに、そんな時間は割けない」という人が多いと思いますが、これをきっかけに運動不足が少し解消されるなら一石二鳥。日程的に余裕がある場合は、準備としてジョギングやランニングなどで体を運動に慣れさせてみましょう。これも急激に運動量が増えてしまうと筋肉痛やケガの原因になるので、昨日よりも今日、今日よりも明日、というふうに一日ずつ体に合わせて運動量や走る距離を増やしていくとよいでしょう。運動前には必ずダイナミックストレッチなどのウォームアップを行うようにしてください(準備運動・基本のダイナミックストレッチ)。
速く走れる秘密兵器!? シューズの選び方・履き方
速く走るため能力を今すぐ伸ばすのは難しいですが、ランニング用のシューズを正しく履くことで、本来の力をしっかり出すことは可能です。これだけでも走力が変わってきます。最近のランニングシューズは機能性に優れているものが多いため、かっこよく走りたい人はぜひ一度試してみるとよいでしょう。できればお店で店員さんに一緒に選んでもらうようにするといいですね。ランニングシューズの選び方のポイントは以下の通りです。
- 足の長さは左右差があるので、長いほうの足にあわせて1.0cm程度大きめを選ぶ(拇指のケガ予防)
- 人間の足は午前と夕方では大きさが0.5~1.0cmほど変わってくるため、靴を買うときは夕方がベスト
- 両足試し履きをして、片足バランスで立ってみる
靴紐は真上に締める(左)のではなく内側にひねるように(右)
前日にできる準備のポイント
運動会当日にむけてできることはしっかりとした準備。当たり前ですが、睡眠不足は運動能力を極端に下げるだけでなく、集中力の低下やケガ、体調不良などにつながります。前日は子供と一緒にバランスのよい食事をとって、早目に寝るように心がけましょう。子供も暑い中で運動をすることになるので、体調を崩さないように。できれば刺身などの生ものや、天ぷらなど油の多い胃腸に負担のかかる食事は控えるようにします。当日の朝はいつもどおりの朝食を。エネルギー源となるご飯やパンなどの炭水化物を多めに摂るようにします。ただしお腹がいっぱいで動けないほど食べ過ぎないようにご注意を。時間に余裕があるなら、走る前に軽くバナナやおにぎりなどを食べるようにしましょう。バナナはエネルギー源としてだけではなく、足のけいれんを予防するカリウムなども豊富に含まれていてオススメです。水分補給も事前にしっかりしておきましょう。
走る時のポイント
実際に走るときのポイントは以下の3点につきます。- 腕を振ることで自然と足が前に出るようにする(腕振りの意識)
- しっかりと前を向いて走る。呼吸もしやすい(姿勢の意識)
- 地面をつかんで押し出すように走る(地面からの反力を利用する)
翌日の仕事に響かせないための筋肉痛予防法
運動後には必ずクールダウンを行いましょう。走った後に急に止まってしまうのではなく、歩くことで血流にたまった疲労物質などを取り除くことができます。運動後の呼吸や心拍数が落ち着いてきたらゆっくりとストレッチなどで筋肉を伸ばします。このとき痛みがある場合はムリに伸ばさずに氷などで冷やすようにしましょう。ゴルフボールを足でゴロゴロ転がすだけでも足が楽になります
食事はたんぱく質を含むものを積極的に食べましょう。肉・魚・卵などの動物性たんぱく質や納豆・豆腐などの豆類、牛乳・チーズなどの乳製品などは、筋肉の再生に必要不可欠なたんぱく質を多く含んでいます。筋肉痛は筋肉を使うことによって起こる筋線維の細かなキズが原因といわれており、このキズの修復のためにはたんぱく質をとることがよいことが知られています。
遅れてやってくる筋肉痛に注意!
歳を取ると筋肉痛が遅れてやってくると言われていますが、本当でしょうか?筋肉痛がどのタイミングで出るかはまだはっきりとわかっていませんが、普段の運動習慣と運動の強度によって変わってくると言われています。
急激なダッシュなど筋肉にかける負荷が大きい運動ほど早く筋肉痛になるようですが、運動習慣があまりない人の場合はそれほど激しい負荷がかからないため、ゆっくりと筋肉痛が出る傾向にあるようです。20代、30代の人でも運動の強度によっては筋肉痛が遅れて出る場合もあり、年齢というよりは運動強度によるところが大きいといわれています。
筋肉痛は、筋肉を動かすことで発生するものであり、必要不可欠な筋肉再生のメカニズムです。ストレッチや栄養、休養などで上手に付き合ってくださいね。