SOHOで働く/SOHOのトラブル対処法

口約束から始まったSOHOトラブル事例(2ページ目)

元同僚からの仕事を口約束で受けてしまった水川さん(仮名 34歳)。Wrod入力作業でしたが、仕事中にあれやこれやと追加依頼をされ、それでも何とか納品。しかし先方からは報酬支払いがありません……。

宮田 志保

執筆者:宮田 志保

テレワーク・在宅ワークガイド

個人と契約書なんて交わせない

契約書
個人とは契約できない?!報酬に関わる大切なことなのに…。
Kからの仕事は、手書きで書かれた文書をWordで作成し、簡単にレイアウトも行うというものでした。文書はFAXで送られてくるとのこと。水川さんが一応と「契約書」の話をすると、「株式会社ならともかく、個人とは契約書なんて交わせない。第一そんな大それた仕事でもない」とのこと。Kとは3年間働いた仲間だし「まあ、いいか」と水川さんもそれ以上はしつこくは言いませんでした。

しかし、いざ仕事を始めてみると、送られてきたFAXの枚数は30枚。その一部分を抜き出しての作業なのでWordにするとたったの3枚。 しかし、読めない部分が多く何度も電話をかけて確認作業を行いました。さらに、せっかく完成した文書も「相手先の日程が変更になった」とのことで、お金がとれないとのこと。

「1万5000円を半額の7000円でお願いしたいんだけど、無理かな。今回は何とかお願い。また今度仕事まわすよ」

納得はいきませんでしたが、「今回だけ」とKの顔をたてて7000円を請求しました。Kの約束通り次から次へと仕事の依頼がありました。しかし、どれも経費がかさむような厄介な仕事ばかり。「このままじゃ、他の業務にまで支障がでてしまう」水川さんは、次第にKの会社からの発注を拒むようになってきました。

何のための請求書?

請求書
一体、何度請求書を送ったことか。郵送代だってインク代だってかかっているのに…。
水川さんは、Kからの仕事をやんわりと断るようになりました。

「一人でやっている訳なので、自分の許容量が一杯になれば、それだけ無理をしてしまうし、徹夜の作業になってしまう。家族にも迷惑をかけるし、第一納品物の品質だって落ちてしまう。なんとか断らないと……」

水川さんがそう考えていると、Kからの依頼が突然こなくなりました。水川さんは内心ホッとしていたのですが、それもつかの間、今度は請求書をいくら送っても指定の期日に振込みがされないのです。Kの会社からの滞り分は30万円もの金額になっていました。Kに払ってくれと言っても、「わかった、わかってるよぉ、もうちょっとさ~、余裕を持ってよ」とはぐらかされてばかり…。

「何社かおつきあいをさせていただいていますが、こんな会社は始めてですね。もう半分呆れてしまいました。いくら同僚でも、金銭マナーは守るべきではないでしょうか」
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