第1回は、アクセンチュア株式会社の森正弥マネージャーにインタビュー。コンサルタントを目指す方が気になる、コンサルタントを目指したきっかけや、業界のカルチャーなどについて中心に伺いました。
森正弥(もりまさや)さん
役職:マネージャー
アクセンチュア株式会社
グローバルテクノロジーコンサルティング
森正弥さんの自己紹介
「みなさんこんにちは、アクセンチュアの森といいます。現在は、グローバルテクノロジーコンサルティングというグループに所属し、テクノロジー戦略を専門のコンサルティング領域としています。大学は、慶応義塾大学経済学部卒業で、98年度に新卒でアクセンチュアに入社しました。現在、8年目の30歳です」
--なぜコンサルタントになろうと思ったのですか?
「そうですね。私の場合、大学では国際金融を専攻していましたので、ほとんどの同期は金融機関に就職しました。コンサルタントはあまりいなかったと思います。
コンサルタントになったきっかけは、テクノロジーがこれからは来るなと思ったからです。ちょうどネットの利用が一般になりかけたころで、SFC(慶応藤沢湘南キャンパス)にインターネットのアカウントを作りにいったりして、積極的に興味を持っていました。
これからは、絶対にITが来ると思いました。ITテクノロジーのスキルを身につけておかないと時代遅れになると、そう思って、ITを中心に自分のキャリアを作っていこうと思ったんですね。ですから、就職の時はアクセンチュア以外にも、SAPやオラクルといったところも受けていました」
--なぜアクセンチュアに
「テクノロジーを、コンサルティングという領域から見られると思ったからです。単にテクノロジーがあるだけではダメで、そのテクノロジーをどのように生かすも殺すもそれを利用する戦略次第です。幅広い視点でテクノロジーを捉えたかったのです」
--入社してからどういう仕事をしていましたか
「最初の2年間は、基幹系のシステムの開発と導入でした。アーキテクチャーの管理をしたり、開発の進行管理をしたりと、どちらかというとSIよりの仕事で、開発現場にどっぷりつかるという感じでしたね」
森さんに聞くコンサル業界のカルチャーとは?
--今回は、とくに、コンサルタント会社にはいっての最初の感想、びっくりしたことや、コンサルってこういうものなのか、といったものがあれば教えていただきたと思います。「いくつかあるんですが、まず最初にあげたいのが、Think Straight Talk Straight というカルチャーです。簡単にいうと、シンプルに考えて、シンプルに話せということなんです。うちの会社ではこの原則が本当に生きていると感じます。何をするにも、シンプルな原則があって、それを皆が共有したうえで、議論を戦わせて仕事をするというスタイルです。コンサルタントによくマッチしたスタイルですね。
暗黙のルールがあって、あうんの呼吸でといったことがないんです。ルールや原則は明確でしっかりしていて、しかも少ない。暗黙のルールではなく、少ない原則の上に行動や議論をするということで、すごくスッキリしていますね。議論もかみ合うし、本音で意見を言いますから後腐れもなく、ドライに仕事ができます」
--コンサル業界らしいカルチャーですね。ほかにもエピソードはありますか?
「当社のコア・バリューに含まれるもので、Client Value Creation。真にお客さんのことを考えてコンサルティングするということです。へんな妥協や政治にふりまわされず、お客さんの利益にのみ集中するということですね。これはコンサルティング会社共通の思想なのではないでしょうか」
--もう1つあげるとすると
「最後に上げたいのが、Door Openというポリシー。これは、シニア・エクゼクティブ(役員)の部屋のことを言うんですが、ドアが開けっ放しなんですね。社長のドアも普通の社員と同じフロアにあって、ドアがあいているんです。これは、好きなときに入ってきて、自由に議論や相談をしようという意味があります。
上司だから、役員だから、ということではなく、同じコンサルタントとして対等に意見を交わそうと言う、オープンな環境がありますね。
これはかなりビックリしました。私は新卒で入ったので、こういうコンサルタントのカルチャーにはそれほど違和感なくとけ込みましたが、他の業界の人にこういう話をすると、ビックリされます。他の業界では、役員室に気軽に入るなんてことはあり得ませんからね。ものすごくオープンなんです」
--なるほど。コンサルタント会社の雰囲気が少しは分かってきたような気がします。ありがとうございました。
次回は、森さんにコンサルタントのキャリアアップについてお伺いします。
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