コンサルタントインタビュー「株式会社コーポレイト ディレクション川崎貴聖氏」

CDI川崎貴聖氏

エネルギッシュなCDI 川崎貴聖氏

ガイドの大石による、現役のコンサルタントへのインタビューシリーズ、今回は株式会社コーポレイト ディレクション(以下「CDI」と略)の川崎貴聖さんにお話を伺いました。

川崎さんは、公認会計士資格を持ち、監査法人をへて戦略コンサルタントに転身、その後日本企業の中国展開をお手伝いするCDI-Chinaを自ら立ち上げるなど、興味深いキャリアを積まれています。

第1回では、コンサルタントになったきっかけ、コンサルタントの醍醐味、コンサルタントの価値の出し方といった点について、川崎さんのお考えを伺いました。

川崎貴聖 プロフィール
東京大学農学部卒。公認会計士。あずさ監査法人を経て、CDIに参画。2008年5月よりCDI-China総経理(社長)に就任。

監査法人から戦略コンサルタントへの転職した理由

-まずは簡単なご経歴を教えて下さい。

東京大学農学部の出身です。田無の農作業実習場に行って、野菜や果物を植えたりしていました。当時、将来のことを色々考える中で興味を持って始めた会計の勉強が面白くなってきて、会計士の資格試験に合格するまで勉強を続け、卒業後には大手の監査法人に就職しました。その後CDIに転職、今に至ります。

-監査法人ではどのような仕事をされていたのでしょうか?

一言でいえば、上場企業の会計監査ですね。財務諸表が正しいかどうかを監査する、というのが主な業務でした。

最初の2年間くらいは楽しかったです。会計がとても好きで、天職だと思っていました。しかし、業務に慣れていくと、自分がどういう構造のなかで、どういう仕事をしているのかというのが徐々に見え始めてきたんですね。そこで、転職を考え始めました。

-その、転職の理由について、詳しくお聞かせ下さい。

理由としては、大きく2つあります。

1つは、「目の前の人を喜ばせたかった。」ということです。会計監査では、クライアントは確かに目の前にいるのですが、真のクライアントは資本市場の投資家です。つまり、財務諸表が正しいかどうかを本当に知りたいのは、目の前のクライアントではなく、遠くにいる顔の見えない投資家なのです。

一方、目の前のクライアントの立場にたってみると、決算の忙しい時期に細かいところをチェックする監査法人は、嫌われ役になりがちです。経験を積んで、細かい会計のほころびに気づくようになる程、クライアントが私を敬遠していくというジレンマがありました。目の前のクライアントに自分が煙たいと思われるのは、やはり辛いものがあります。「目の前の人に喜んで欲しい」、当時はそんな渇望感がありました。

もう1つは、「『自分だからこその付加価値』が出しにくい」と感じたことです。会計士は、法規集や会計基準に照らして、正しいかどうかを判断します。だから、監査で問われるのは、「『川崎貴聖』がどのような価値観、例えば組織観、人間観を持っていて、どのようなことを調べて、どのように考えたか」ではなく、「法規集に書いてあるかどうか、前例があるかどうか」なのです。ということは、極端なことをいうと、私が倒れてしまっても業務は他の誰かによってどうにかなってしまうわけです。「他でもない自分自身の存在意義を感じることが難しい仕事だな」と思うようになりました。

以上の2つの理由があって、だんだんと「『自分だからこそのやり方』で『目の前の人を喜ばせる』仕事がしたい」そんな欲求が強く湧いてきました。そして、どんな仕事があるのか探している中で、戦略コンサルティングという業界があることを知り、「この業界の仕事をしたい。」と思って転職を決意しました。