コンサルタントで働く/コンサルタントの転職ノウハウ

監査法人から戦略コンサルへ 川崎貴聖氏1(3ページ目)

株式会社コーポレイト ディレクション川崎貴聖氏インタビュー。時には面と向かって社長に「ストップ」をかけなくてはならないのがコンサルタントの仕事。会計士資格をもち監査法人から、戦略コンサルタントに転職された経歴をもつ川崎さんのコンサルタント力についてお話を伺いました。

執筆者:大石 哲之


時には社長に「やるべきでない」と報告しなくてはいけないことも

-コンサルティングをしていて、一番醍醐味を感じるところはどこですか。

CDI川崎貴聖氏

正しいと思う方向にクライアントが大きく動いてくれたときに醍醐味を感じる

自分が正しいと思う方向にクライアントが大きく動いてくれたときに、「目の前の人達ために大きな仕事ができた。」と感じることができるところですね。前職ではなかった強い感動が得られます。

それは、もっと大きくいうと、日本企業のため、社会のために役に立てたと思う瞬間でもあると思います。そもそも、個人だけでは生み出せない価値を目指して、わざわざ多くの人が集まって仕事をしているのが「会社」なのですから、他ならぬ自分が関わることでその「会社」を「大きく動かせた」ということはとても感動的なことだと思っています。クライアントが社会のために価値を創造する、自分はそのお手伝いをできた、と社会的な使命感が満たされる充実感もあります。

-相手が応えてくれたという意味で、印象に残るエピソードを聞かせてください

今振り返ってみると、2つのエピソードが浮かびます。

1つはある上場企業で、社長が周囲の反対を押し切る形で進めようとしていた、新規事業の評価をするプロジェクトです。新規事業の中には社長が知人から個人的な依頼を受けて始まったもの等もあり、成長性、収益性には疑問が残るものでした。ですが、オーナーである社長の権限があまりにも強すぎて、企業の内部からは反対できない雰囲気だったんですね。

しかし、私は面と向かって社長に「やるべきではない。」と報告しなければならない立場です。非常に難しい立場ですが、信念をもって、プレゼン資料を作り込んだ上で、社長に報告したんです。「この事業はやめるべきです。こっちの事業もやめるべきです。最後のこの事業もやめるべきです。結論、全てやめるべきです」と。

当時私は26~27歳で、そんな若造が上場企業の社長に意見、しかも社長の考えを否定する意見をするわけです。大変な緊張感でしたが、勇気を出して報告しました。社長はややご立腹のようでした。

でも、しばらく経つと、その企業は新規事業を殆ど止めていたんです。なかにはもうすでに始まっていた事業もあったんですが、それも含めて止まっていました。そして1年後、その企業のプロジェクトメンバーの方から連絡がありまして、「あの時の川崎さんの勇気のおかげで、社長の暴走が止まりました。新規事業に人を沢山配置しようという話もあったのですが、それも止まりました。本当に救われました。ありがとうございました」と言って頂けました。
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