新築マンションは希少なエリア、
小規模な一戸建ては意外に見つかる
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駅周辺には細い道、古いアパートが並ぶ地域も残されている |
さて、気になる住宅事情です。昭和初年頃は人通りも少ない農業地帯だった幡ヶ谷・笹塚エリアですが、1914年以降、京王線の開通に伴って開発が進みます。そして、1923年の関東大震災を機に一気に住宅が増えたのですが、住宅不足に迫られての宅地化だったこともあり、区画が整理されないままの場所も少なくありません。
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水道道路沿いの公園とマンション。同じ水道道路の反対側、甲州街道寄りは幡ヶ谷から笹塚にかけて都営住宅が並んでいる |
そのため、甲州街道沿い、水道道路沿いにはある程度まとまった規模の集合住宅は建てられているものの、甲州街道と水道道路の間、また、その先の中野区側などは路地が多く、古い一戸建て、アパートなどが密集、新規でのマンション供給はあまり期待できません。もし、建てられるとしても、小規模な単身、カップル向きでしょうし、日当たりなどは期待薄。区画の広さから、可能性があるとすると、南側の西原、北沢方面ですが、このあたりは低層住宅が中心の住宅街のため、建てられるとすると高額マンションになってしまうでしょう。
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甲州街道近くの中野通り。比較的規模の大きなマンションが並んでいる |
中古に目を向けると、水道道路、中野通り沿いには築数年程度と、比較的築年数の浅いマンションが点在しています。ただ、まだ市場にはあまり出回っていないので、この辺りでマンションを買うつもりなら、もう少し待って、中古を狙うというのが現実的かもしれません。
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土地面積70m2弱の一戸建て建設現場。3階建て、4LDKが建つそうだ |
一戸建ては規模次第で5,000万円から、上は億オーバーまで。商店街の中などにもところどころに空き地があり、建売住宅用地になっていましたから、じっくり地元を歩いて探せば、意外に探せるでしょう。
シングル向きなら5万円台も。
カップルになると、やや高め、15万円前後
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駅から5分以内でも、古いが安いアパートが探せるのがこのエリア。もちろん、遠くなれば広くて安い部屋も見つかる |
賃貸のメインはシングル向け。古い、あるいは15m
2前後と狭いワンルームであれば、5万円前後からも探せますが、平均的な賃料はアパートで7万円前後、マンションで8万円台後半~といったところ。数が多いので、もっと安く、もっと広くなど、予算に合わせて選択できる街です。これに比べると、カップル向きはやや高めで、15万円前後。マンションが中心です。
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外食、中食ともに充実している、幡ヶ谷・笹塚エリアは働く主婦にはお勧めなのだが…… |
通勤、毎日の生活には便利で快適な幡ヶ谷、笹塚エリアですが、注意したいのは防災面。渋谷区は比較的地震に強い街なのですが、その中で弱点となっているのがこのエリア。駅周辺は細い道や行き止まりなどがあるため、避難危険度が高いと言われていますし、水道道路を越えた辺りはそれに火災や建物倒壊の危険も重なります。住み心地ではお勧め度の高いエリアですが、実際に住む場合には、建物周辺の安全面のチェックを慎重に行う必要があるでしょう。