知っておきたい美術大学院3つのポイント
1.要求されるレベル
「鉛筆画ノート」視覚デザイン研究所編 ガイドが最初に手にしたデッサン本。美術予備校で使用。アメリカ留学にも持っていった。 |
日本の美術大学は、専攻によっても多少異なるが、受験時に美術の基礎知識(特にデッサンなどの技術力)を備えていることが最低条件。大学院入学の場合、基本的な技術はもちろん、自分のスタイルがある程度確立されていることが前提であり、与えられた時間、環境の中で、どのように自分を表現していくか、研究していくか、理論づけるか、など自主性が問われる世界である。
ホームページや学校紹介パンフレット等で、在学者の作品が紹介されているので、要求されているレベルを見てみよう。また、志望大学のオープンキャンパスや相談会に参加し、ポートフォリオ(作品集)をその大学の教授に見てもらうのも良いだろう。
2.学費・教材費
意外に知られていないことだが、芸術系の学びはとにかくお金がかかる。学費はもちろん、材料費も自分で準備しなければならないので専攻分野や使う材料によっては、相当の費用がかかる。また作った作品の保管も専攻によっては大変で、家具デザインやプロダクトデザイン、彫刻専攻などでは、大型の作品を保管するためのストレージを借りざるを得ないこともある。
例として多摩美術大学の学費を見てみよう。大学院美術研究科2007年度初年度納入金は、176万1,000円~180万1,000円。金額に幅があるのは専攻によって実習費が異なるため。
相談者は現在大学生だが、大学院での学びにかかわる諸費用、学費、生活費はどうするのかをしっかり考えておきたい。
【参考記事】
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・元社会人はお断り? 学生が借りられない教育ローン
3.入学後
仮に大学院に合格できたとしても、入学後は美術系学部出身者と同等のレベルを常に求められる。日常的に授業で使われる用語の意味や材料の扱い方、批評の仕方、作品の展示やポートフォリオ作成など、挙げればキリがない。商学部出身の相談者が、美大出身のクラスメートについていくためには相当の努力が強いられることも忘れてはならない。
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