沿線別の地価動向
続いて、沿線別の地価の変動率(前年比)を見てみたいと思います。どちらの沿線も、前年比は下落しています。しかし、都心部の大阪環状線内では、下落率2.6%。他の地域から比べても値下げ率はかなり低いですね。他の地域では、阪神間の阪急神戸線・阪神本線・JR山陽本線と京都方面の阪急京都線、JR東海道線方面が下落率が低いのがわかります。いずれも、大阪と神戸、京都を結ぶ京阪神地区の人気エリア。他に、南方面では、南海高野線、近鉄長野線方面が他の沿線より下落率が低いのが目立っています。大阪都心から同じ方面の地価でも沿線によって、上下するのがよくわかります。
方面別 | 沿線別 | 平成15年 | 平成16年 | 平成17年 |
都心部 | 大阪環状線内 | △ 5.3 | △ 4.8 | △ 2.6 |
西部 | 阪神間阪急神戸線、阪神本線、山陽本線 | △ 8.8 | △ 6.5 | △ 3.0 |
阪急宝塚・今津線、福知山線方面 | △ 9.7 | △ 9.0 | △ 5.4 | |
北部 | 阪急京都線、東海道線方面 | △ 7.1 | △ 6.6 | △ 4.2 |
京阪本線・京津線、片町線方面 | △ 8.8 | △ 8.7 | △ 6.0 | |
東部 | 近鉄奈良線、近鉄東大阪線方面 | △ 8.6 | △ 8.3 | △ 5.6 |
近鉄大阪線、関西本線方面 | △ 8.0 | △ 7.8 | △ 5.1 | |
近鉄南大阪線、和歌山線方面 | △ 7.4 | △ 7.5 | △ 5.3 | |
南 部 | 南海高野線、近鉄長野線方面 | △10.4 | △ 8.5 | △ 4.9 |
阪和線、南海本線方面 | △10.1 | △ 9.5 | △ 7.7 |
大阪市内での人気エリア
関西で唯一地価が上昇している地点。大阪市内の上町台地。 |
次に、大阪府の住宅地での地価のトップ5を見てみましょう。
順 位 | 価 格(円/m2) | 変動率(%) | 所在地 | |
平成15年 | 平成16年 | |||
1 | 510,000 | 515,000 | 1.0 | 大阪市天王寺区真法院町117番3 |
2 | 505,000 | 505,000 | 0.0 | 大阪市天王寺区北山町48番2外 |
3 | 461,000 | 465,000 | 0.9 | 大阪市中央区玉造2丁目21番2外 |
4 | 425,000 | 425,000 | 0.0 | 大阪市天王寺区堀越町1番8 |
5 | 430,000 | 416,000 | -3.3 | 大阪市中央区上町1丁目27番6 |
地価が大阪圏でトップのこれらの地点は、土地の価格も前年と比べアップしており、まさにこれらの地域が、大阪都心の地価の底上げをしていることがわかります。いずれの地域も、大阪市内の都心部。それも、歴史あある都心の街「上本町」で紹介した「上町台地(うえまちだいち)」周辺。大阪市内で人気の住宅地エリアであることがわかります。
また、下落率が大きい地域は、大阪府南部に集中しています。このように、大阪府内でも地価が下落し続けているエリアと、下げ止まりとなり、上昇し始めているエリアがあります。これらは、宅地としての人気のバロメーターですね。
今回は、大阪圏の地価動向を見てみました。都心回帰の傾向がさらに顕著になった結果が見えます。まだまだ、地価が下落している状況が続いていますが、下落率は年々減っており、大阪都心では、上昇しているエリアも。
住む街を選ぶ際には、これらの地価情報をしっかりチェックしましょう。そのエリアの地価がどのような傾向であるかが、他のエリアと比較することが出来ます。地価が高く、上昇傾向にあるエリアを選ぶもよし、地価が安くお買い得なエリアを選ぶもよし。ライフスタイルに合わせて、住むエリアを選びたいものですね。
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