ノイズ低減の原理「特殊制振合金のプレートが、クルマの振動を吸収する」ため
ワッシャーのような金属プレートをボルトに挟み込むだけで、乗り心地が改善するという驚きのアイテムが、このロードノイズ低減プレートだ |
クルマの快適性を評価する基準として、よく用いられるのが「NVH性能」です。NVHとは、それぞれ「NOISE(騒音)」「VIBRATION(振動)」「HARSHNESS(乗り心地)」を表し、走行時に乗員が不快に感じる要素の多くが、このNVHにあるといわれています。
これらは体にどのように伝わるかによって区別されてはいるものの、その要因となっているのはいずれも振動です。VIBRATION(振動)は文字通りですが、NOISE(騒音)もやはりある種の振動の結果、発生する周波数がその原因となっています。HARSHNESS(乗り心地)も、シャシー関係の設計に起因する固有振動数が大きく影響しています。
エーモン ロードノイズ低減プレート 価格:オープン(実勢価格3000円前後/10枚) 問:エーモン工業 |
写真を見ていただければ分かるように、製品は単なるワッシャーのようなプレートです。使用方法はこのワッシャーを振動の伝わりやすいポイントにあるボルトなどにセットして、締め込むだけといたって簡単です。こんな小さなプレートを挟み込むだけで、振動が軽減できるといわれてもにわかには信じられませんが、メーカーの説明によれば、このプレートは振動を吸収する特殊な金属でできているとのことです。
プレートは円錐状の形をしており、表面には緩み防止用の溝加工が施されている |
これらの制振合金は、振動を金属内部で熱エネルギーに変換することで制振効果を発揮するもので、実際にパソコンのハードディスクやCDプレーヤーなどの内部のネジやワッシャーにも振動対策として用いられています。クルマでは、日産車のインジェクター部の騒音対策としても用いられています。
ロードノイズ低減プレートにどんな素材が用いられているのかは公表されていませんが、これらと同等の性能がある材質だとすれば、確かにクルマの快適性向上に効果がありそうです。後はどこにそれを用いるかが問題ですが、エーモン工業では比較的作業がしやすい、サスペンションのアッパーマウント取り付けボルトやシートをフロアに固定するボルトに使用することを推奨しています。
次のページでは、装着方法と実際の効果について紹介します