大阪市中央区。平成元年に東区と南区が合区したことにより誕生した比較的新しい区です。非常に素気ない名前ですが、今回はまだまだ若い大阪市中央区の紹介をいたします。まずはそのあらましからどうぞ。
人口は急増中。単身女性に人気。
谷町筋沿いのマンション。このあたりは以前から住宅が多いが現在では御堂筋界隈にも住宅が増えている |
タワーマンション等の都心型マンションがさして珍しくない近頃。中央区内で新築分譲マンションや賃貸住宅を探すのはそれほど苦労はしませんが、住宅供給が盛んになり中央区の人口が増加に転じたのはつい10年ほど前の話です。昭和30年代10万人以上の人口があったこの地も昭和40年前後から減少の一途。木造住宅がオフィスビルや商業施設へとどんどん変わっていきました。その結果、平成7年~10年頃には53,000人前後にまで落ち込みました。しかし、バブル崩壊後に企業が手放した土地に高層住宅が建てられたり、デザイナーズ賃貸マンションブームがあったりで昨年の推計では72,000人弱。ここ10年間で4割近くも人口が増えました。人口急増の理由は、直接的には土地価格の下落により住宅の供給が加速されたという事になりますが、その背景には「都心に住むことの便利さ」が見直された事実があることも見逃せません。
急増した人口を性別・年齢別分布でみると面白い傾向が出ます。一番ボリュームが厚いのは25~29歳の女性で、続いては30~34歳の女性。男性人口が女性人口の9割弱しかいないことも併せ考えると相当数の単身女性世帯があると考えられます。反対に、極端に少ないのは20歳未満の人口。その中でもいちばん少ないのは10~14歳の人口で80歳以上の人よりも少ないです。釣鐘型でもピラミッド型でもなく「杉の木型」(筆者考案)の人口分布を見せています。
「オフィス」「商業」「住居」の3つに大別
休日の御堂筋沿いを歩く親子連れ。はて、近所に住む人か? |
オフィス・商業・住居がモザイク状に入り乱れている中央区ですが、よくよく見ますとそのモザイクにも濃淡があります。以下は「オフィスエリア」「商業エリア」「住居エリア」の3つに分けて紹介していきます。でも付け加えたいことが一点。ネーミングはあくまでイメージを基にした主だった用途ですので、「住居エリア」がいちばん「住居に適したエリア」というわけではありませんので、そのあたりを考慮の上、次ページ以降読み進めてくださいませ。
大阪のビジネスの中心地「オフィスエリア」
御堂筋沿いは高層ビルもなく、案外空が広い |
5~6階建ての雑居ビル越しに見える超高層ビル。アンバランスさもこの街の魅力。いずれも淀屋橋~本町間の御堂筋から少し東に入ったあたり |
では、住んでみるとどうでしょうか?オフィスの人は平日に何不自由なく過ごしていますし、コンビニや飲食店も豊富(「昼飯が混む!」といった「不自由」はあるかもしれませんがね)。電車の交通便、金融機関の充実といった点も含め、便利な生活が実現可能です。大人的にはまず問題なく過ごせそう。しかし、病院・塾・スーパー等のインフラは不十分。子育て層にとっては少々不安が残るかも知れないです。
では、「オフィスエリア」に続いて次ページからは「商業エリア」を見てまいりましょう。