チンチン電車で行く！政令指定都市「堺」(2ページ目)

事務所・住居混在でもさっぱりとした街並み

（上）大道筋沿いの風景。事務所ビルと賃貸マンションが併存する（下）幹線道路から一本内側に入っても道路幅員は広い。駐車禁止の看板が置かれていたがこの日、路上駐車はナシ。

幅員の広い道路が多いせいか、通り沿いには中高層の集合住宅が多いです。ただ、マンションばかりが並んでいるわけではなく事務所ビルも多くあり、大通り沿いはビジネス立地でもあります。そして、中高層のビルの合間には低層住宅（時には木造平屋）も多く残っており「スカイラインのそろったビジネス街」とはほど遠い雰囲気です。しかし、50m幅員の力は大きく、中高層ビルも圧迫感が少ない、すなわち、低層住宅と並んでいてもそれほどすわりの悪さを感じません。旧街道の街並みも残しながらこれだけすっきりとした区画となっているこの周辺。なかなかバランスのよい開発がなされてきたのでは、と感じます。

大通りから、一本入ると低層建物の住居がメイン。店舗付住居も多く見られます。また、「御陵前」駅東南部に偏ってはいますがお寺が多いのも特徴。昔は寺の境内地であったとのことから「寺地町（てらじちょう）」や「少林寺町」っていう地名もあります。そのほかにも昔からあるような味わい深い住所名もおおいので一度こちらでご確認あれ。

「御陵前」駅以南は未開発エリア

（上）「東湊」駅周辺。「御陵前」駅以南は街路が極端に狭くなる（下）「石津」駅周辺になるとかなり狭い道路が多くなる

太い道路のド真ん中を走っているチンチン電車の姿を見るのも「御陵前」駅以北のお話。ここから南に行き土居川という小さな河川を渡るとチンチン電車は道路端によってその半分の道路からも離れ、住宅街に入っていきます。「御陵前」駅の一つ南は「東湊」駅。駅の周りは、昭和レトロを感じる商業エリアです。駅前にあるのは「万代百貨店_東湊店」(余談ですが今回紹介したエリアの北端には「万代百貨店_七道店」があります。「万代百貨店に挟まれたエリア」といえましょう）。整然とした街区、広い道路が続いていたエリアから南下するにつれ街の様子がだんだんに変わっていくのがわかります。さらに南下。次の駅は「石津」駅。このあたりになると自動車の通行もままならないような街路も多く、ザビエル公園あたりの景色がウソのような街並み。大道筋では「旧街道ですよ」といわれてもピンと来ないでしょうが、このあたりで旧街道を示す石碑を見ると、抜群に納得感があります。旧街道というよりも、今でも街道。昔ながらのコミュニティの中で、落ち着いて住まうには良いのだろうな、と感じました。

では、続いて住宅事情のご紹介。

物件数少なし! 「堺」駅～「堺東」駅間を狙え!

（上）物件検索は南海線の駅からした方が効率的（下）道路の真ん中にある駅の様子は、バス停そのもの

いつものように「HOME'S賃貸」で検索してみると……。物件が少ない！ 種別もワンルーム（3～4万円台前後）がメインで、いわゆるファミリータイプはほとんどなし。少し範囲を広げて最寄駅を、もっとメジャーな南海線でみてみると、少し物件数が増えます。ただ、やはりファミリータイプはそれほど多くないです。相場は賃貸マンションの場合、「堺」駅周辺で60平米台で10万円程度。「堺東」駅周辺はちょいと高めで10～12万円台。分譲マンションだと築10年未満70平米台で2500万円前後、築年数を気にしなければ60平米台1500万円前後、といった感じです。「堺」駅・「堺東」駅はそれぞれ特急も停車する便利な駅。南海「難波」駅まではラッシュ時で10～15分程度（時間帯によって差があります）。ということで通勤も時間的に楽。「難波」を「梅田」と置き換えて、そこから10～15分の距離で探すとなると、同じ予算ではかなり住まいは探しづらいです。このあたり、ちょっと穴場かと思われます。

「俺もチンチン電車乗って、堺みてみようーかなー」という方には、「チンチン電車の貸切」がお勧め。結構値は張りますが、公共交通が貸し切れるなんてかなりレアな企画。大勢で乗って飲み食いしても社内マナーを問われることはないし(→でもルールは守ってくださいね）、ひとりで乗ってエアフォースワンよろしくVIPな移動を試してみるもよし。でも、盛り上がりすぎて街並み見なかった！ って文句は言わないでくださいね。。