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階段の転倒事故を防ぐ!今すぐできる予防策(2ページ目)

9月11日、俳優でコメディアンの谷啓さんが自宅の階段で転倒し亡くなられました。この件からも「階段」は転落や転倒を起こしやすく、それが原因で骨折や死亡という大事故が起こりやすい危険な場所だということがわかります。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

転倒・転落防止に手すりを設置

段差のある場所、動作的に必要な場所には手すりを取り付けましょう。手すりがあれば、とっさのときにつかまることができ、また階段を上り下りするときにつかまることで、転倒・転落を防げます。

手摺には下地補強が必要

手摺をつける壁には補強を行う。写真は補強材のついた手摺例(写真提供ダイケン工業)。

【写真1】手摺をつける壁には補強を行う(写真提供:大建工業株式会社(写真1,2共))。

とっさのときに手すりにつかまったのに、支えきれずに手すりが抜けてしまった、という事例もあります。

手すりをつける場所には、下地補強が必要です。右の写真は既存住宅用で、後付け可能な手摺下地と手摺本体がセットになった商品です。

手摺は下地補強のある壁に、しっかりと固定しましょう。


 

 手すりを取り付けるのは左右どちら?

【写真2】階段の手すりは両側もしくは下るときの利き手側につける。

【写真2】壁の両側についた階段手摺の例。

階段の事故は、上りよりも、下りのほうが4倍起こっているそうです。

両側に設置できればよいのですが、もし片側のみに手すりをつけるときは、下りの時の利き手側に取り付けるようにしましょう。


 

手すりを取りつける高さ

手すりを取り付ける位置(高さ)ですが、一般的には床から70~80センチ程度となっています。しかし、それにとらわれず「使用する人にとって使いやすい位置」に取り付けることが肝心です。実際に動作をシュミレーションしてみて、使いやすい高さを決めましょう。高齢者と子どもがいるご家庭なら、上下二段の手すりにするとよいでしょう。

以上のように、手すりの取り付けは素人の方には難しいと思いますので、専門業者に頼んでつけてもらう方が良いと思います。

明るくして段差を見分けやすく

段差につまづく原因に「段差に気がつかなかった」ということがあります。まずは明るさの不足を考え、階段の足元を照らすフットライトを設けるとよいでしょう。フットライトの設置が無理な場合は照明器具を明るいものに変えたり、または既存の照明を掃除して古い電球を変えるだけでも明るくなることがあります。

目立つ色、光る色で見分けやすく

もうひとつ、段差部分に「目立つ色」または「暗いところで光る」テープなどを貼ることで、段差を見分けやすくする方法もあります。テープは表面のザラザラしたものを選べば滑り止めにもなり一石二鳥。このような滑りどめテープは、ホームセンターやインターネットの通販で手軽に購入できます。

踏み面を滑りにくくする

踏み面がカーペットやコルク、マットなどざらざらしたもののほうが、滑りにくい。

踏み面がカーペットやコルク、マットなどざらざらしたもののほうが、滑りにくい。

転落防止のためには、階段の踏面がに滑りにくくなっていると効果を発揮します。例えば、カーペットのように表面がざらざらしたものを貼る、踏み面に溝をつけるなど。

置くだけ、または敷くだけのお手軽な階段用マットやコルクはホームセンターや通販で手に入ります。価格もそれほど高くないようですので、心配なご家庭は早速試してみてはいかがでしょうか。

 

上り下りするときの注意

スリッパや靴下は滑りやすく危険。

スリッパや靴下は滑りやすく危険。

次に、階段を上り下りするときに注意すべきことを挙げます。

■スリッパやくつしたで上り下りしない
■両手にものを持って上り下りしない
■すその長いズボン、スカートをはかない


ガイドも経験がありますが、リボン等の飾りがついたスリッパをはいて階段を上ろうとしたときに、その飾り部分をひっかけて転びそうになったことがあります。ただでさえスリッパをはいていると足の裏の踏ん張りが利かず、滑りやすくなります。足元が弱くなったお年寄りや幼児は、なるべくスリッパや靴下を脱いで上り下りしましょう。

また、とっさのときに手すりにつかまれるように、洗濯ものや荷物を両手に持たない、足元に引っかかる恐れのある長いズボンやスカートをはくのは避けるようにしましょう。

以上のように、階段での転倒・転落を防ぐために、すぐに取り掛かれる対策もあります。高齢者や幼児のいるご家庭では、ぜひ取り組んでみてくださいね。

【関連記事】
子どもや高齢者に安全な階段の作り方 
家庭内事故から家族を守る!自宅の安全対策 


 

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