「人生、楽ありゃ苦もあるさ」とはどこかできいたフレーズですが、西宮には「苦楽園」って場所があります。さて、どんな苦や楽があるのか?今回は西宮市の苦楽園を紹介いたします。

標高200m、最寄駅迄徒歩20分の「元別荘地」

苦楽園口
「苦楽園」駅ではなく「苦楽園口」駅。「観光地・苦楽園」へとむかうお客様の為に設けられた駅であるとのこと。
西宮市から芦屋市にかけての山の手前のあたり、文字通り「山手」には、高級住宅街が数多くありますが、最高峰ともいえるのが苦楽園(西宮市)~六麓荘町(芦屋市)周辺。苦楽園はその西宮側となりますが、住居表示では苦楽園一番町から苦楽園六番町までの6つの町からなり、かなり広範囲にわたります。

街の歴史は比較的新しく明治の終盤に別荘地として開発されたのが街の始まり。昭和初期までは、温泉もあり観光地として栄えたようですが、昭和13年の阪神大水害で温泉が止まったのをさかいに観光地から住宅地へと変貌。今は別荘地・観光地としての面影は少なく「高級住宅地」としてのポジションを築いています。

最寄り駅は阪急甲陽線「苦楽園口」駅。駅名が「苦楽園」ではなく「苦楽園口」とあるように、「苦楽園口」駅は苦楽園に行く「登山口」のような場所。駅から苦楽園までは結構距離があります。苦楽園1丁目の一番駅に近いあたりでも徒歩12分程度。街の中心部まではゆうに20分はかかります。

高級住宅街に似合わないからか、坂道がきついからか、いずれにしても自転車はほとんどみかけません(取材中に関しては1台もあわず!)。バス路線も通っていますが、やはり自家用車の方が多いです。

生活利便よりも閑静な環境を!

黒川古文化研究所
買物施設等は町内にない。町内の施設といえば写真の「黒川古文化研究所」「堀江オルゴール博物館」といった文化的な施設のみ。
苦楽園には大小問わずスーパー・コンビニ等がありません。銀行も、美容院も、医者も……。生活利便施設は、ほぼ見当たりません。もちろん、吉野家やびっくりドンキーもありません。

しかしこれは、住む方にとっては大変な贅沢。こと生活利便性にかけてはすぐれたレベルを誇る阪神間。その阪神間においてコンビニの一軒もないなんて、ほとんど奇跡です(実際は用途地域等の制限で建てられないので当然なのですが)。

一方、この街には緑、それも自然の緑がそこここにあふれています。駅に近い苦楽園一番町あたりはそれほどでもないのですが、そこから山側に向かって坂道を進んでいくと、あちこちに残っている自然の雑木や邸宅内の植栽がたくさんあります。

街場の喧騒から離れて緑の中で眠る。苦楽園に住むという事は、今の時代においても「別荘地」に住む事と変わらないのかも知れません。

では次のページでは、苦楽園の街並みを写真を中心にご紹介します。