家を建てたら終わりじゃない!築10年~25年超のリフォームのポイントは?
家を建てるのは人生の一大事業。だからこそ家を建てることが目標になり、建った瞬間がゴール!と感じる人が多いのです。しかし家はそこからが始まりです。建った瞬間から、経年劣化という新しいスタートを切ります。家は建てた瞬間から、経年劣化という新たなスタートを切る。
家は、木、樹脂、金属など様々な材料が使われていて、それぞれが別個のスピードで劣化をします。これらのメンテナンスのタイミングを上手に見極めて、適宜お手入れをしていくことが、効率的に我が家を長持ちさせるコツです。
タイミングを逃してしまうと、後になって多額の補修費用が掛かったり、せっかく大金を掛けて建てた大切な財産である家の価値が下がったりしてしまうことも。
しかしそうは言っても、それぞれの材料が異なるスピードで劣化するので、そのタイミングを見極めるのは難しく、またそんなにいつもメンテナンスばかりしていたら、お金と手間が掛かって仕方ないというのも本音のところ。
そこで今回は、築年数別に、よく見かける家の劣化の実例と、その時々のリフォームのチェックポイントをご紹介します。
【目次】
1.築10年前後の家の劣化の実例
2.築10年前後の家のリフォームのポイント
3.築15年~築20年前後の家の劣化の実例
4.築15年~築20年前後の家のリフォームのポイント
5.築25年超の家の劣化の実例
6.築25年超の家のリフォームのポイント
7.一戸建てのメンテナンス費用は自分で積み立てる必要がある
築10年前後の家の劣化の実例
築10年では既に遅い屋外の木部のお手入れ。南側と北側で劣化速度が違うので、よく状態をチェックして。
- 外壁の汚れ、コケなどの付着
- 外部木部や鉄部の腐食
- サイディングの目地の縮み、劣化
- サッシまわりのシーリングの縮み、劣化
- スレート屋根の塗装の傷み
- 屋上やバルコニーの防水の劣化
- シロアリ被害の開始
- 全自動給湯器の故障
- 浴室に面した洗面所、床下地の腐食 など
築10年前後のリフォームのポイント
築10年程度まで何も手を入れないでいると、はっきり劣化がわかるのが屋外の木部や鉄部です。表面だけでなく中まで腐食しているケースも少なくありません。表面だけなら塗り替えだけで済むものが、腐食が進んでしまうと修繕に多額の費用が掛かってしまいます。早めにチェックし、お手入れをしておきましょう。
築10年目は、屋根、外壁、床下など、大切な構造部分の点検やメンテナンスの時期です。またそろそろ屋上やベランダの防水工事の保証が切れる時期でもあります。この時期にお手入れをさぼると、築20年目で大きな差が出ることを知っておきましょう。
築15年~築20年前後の家の劣化の実例
この時期は修理だけでなく、暮らしのグレードアップのためのリフォームをしたくなる時期。
- スレート屋根の劣化、内部腐食、雨漏り
- 外壁ヒビ、継ぎ目の劣化、内部浸水による腐食
- 屋根瓦のズレ、漆喰の落ち
- 床下の湿気、シロアリによる土台の腐食
- 全自動給湯器の寿命
- 網戸のゆがみ、サッシの戸車の劣化
- 内装の汚れ・傷が目立つようになる
- 水まわりの汚れ・傷が目立つようになる など
築15年~築20年前後の家のリフォームのポイント
築20年ほどの一戸建て浴室を解体してみると、土台や窓台が既に腐食しているケースが少なくありません。この時期で怖いのが、一件キレイだからと放置しておくこと。外壁の細いヒビ割れから水を吸い込んで、内部が腐食していたケースもあります。まだまだ大丈夫と思っていても、見えない部分で進行している可能性があることを知っておきましょう。またこの時期は、住んでいる人の生活スタイルの変化が起きる時期と重なり、そろそろ新しいキッチンが欲しい、間取りを変えたいなどの要望が生まれてくる頃です。このタイミングがリフォーム適齢期と言っていいでしょう。
築25年超の家の劣化の実例
建て替えかリフォームかで悩むのがこの時期。ここまでにどんな手入れをしてきたかによって判断できる。
- これまでの全ての劣化が更に加速
- サッシ本体の劣化
- 配管の劣化
- 基礎にクラック など
築25年超の家のリフォームのポイント
建て替えかリフォームかで悩むのがこの時期です。ここまでにどんなお手入れをしてきたか、構造部分の劣化の進み具合によって、この先の進む方向が変わります。劣化を放置してきた家と、メンテナンスをきちんと行ってきた家では、ここでのリフォームで1,000万円近くの差が出ることもあります。特に構造部分の劣化が進めば、補修費用は、メンテナンス費用とは比較にならないほど、大きなお金が掛かることを知っておきましょう。
お手入れを放置してきたせいで、築20年を超えたあたりで500万~700万以上の補修費用が掛かった家を何軒も見てきました。劣化がひどく、建て替えに必要な費用の7割以上かかってしまうようなリフォームになるのであれば、建て替えを選択することをお勧めします。
また1981年より前に建てた家は、古い耐震基準に沿って建てられているので、地震に弱い家です。リフォームの際には、耐震補強工事も行っておきましょう。
一戸建てのメンテナンス費用は自分で積み立てる必要がある
マンションなら自動的に集めてくれる修繕積立金だが、一戸建ての場合は、自分で貯蓄する必要がある。
家は必ず劣化していくということを忘れずに、メンテナンスや修理のための費用として、リフォームのための積み立て貯金をしておきましょう。
その際には、「5年おきの点検・簡易なメンテナンス費用」と「築10年おきに行なう大型リフォームのための費用」を見積もっておくといいでしょう。下記に木造住宅のメンテナンス時期のタイミングの表をご紹介していますので、参考にしてみて下さい。 こまめなお手入れをすることは、結果的には我が家を長持ちさせ、長い目で見れば費用的にもお得です。家を長持ちさせることで得られる具体的なメリットと、費用は下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 メンテナンスの手抜きをしたために、15万円が500万円以上の出費になってしまった実例は下記でお話ししています。
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