ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[価格]

住宅価格の基本 住まい造りの過程から考察(3ページ目)

注文住宅は分譲住宅とは違い何もないところから形を作っていくもの。そのため、完成・引き渡しまでには膨大な作業が必要になります。今回はそうした過程を紹介し、合わせて住宅と価格の関係についても解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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軟弱地盤では基礎補強の必要も

注文住宅の請負代金は「建築工事費(本体工事価格)」「特殊工事費」「別途工事費」などといった項目で表されます。建物工事費には建物の躯体、さらには基礎の費用も含まれる場合があります。基礎は建物を支える重要な部分です。

基礎
基礎は住宅を支える大変重要な部分。軟弱地盤の場合だと、補強に大きな費用がかかる場合がある
そのため、地盤が軟弱である場所の場合、杭を打って補強をしなければならないケースもでてきます。これがバカにならない。建物の大きさによりますが100万円から200万円の追加費用が必要になる場合もあり、これが特殊工事費に含まれます。

ちなみに、あるハウスメーカーの場合、本体工事価格のうち基礎を含む構造部分が6割から7割を占め、内装部分にかかる金額は残りの3割から4割となるそうです。目に見えない構造部分は建物の耐久性や耐震性を決める要の部分ですから、当然のことかもしれませんね。

別途工事費とは、給排水や電気の屋外配線工事、ガス屋内外配管工事などを指します。敷地の形状、例えば「旗竿敷地」(周囲の住宅に囲まれ道路に接していない敷地)のケースでは、建物と道路の距離が大きいことから、工事費や材料費が高くなるのが一般的です。

多種多様な住まいづくりの費用

EXPO
三井ホームが開催したイベント「住まいのEXPO」。このような機会も利用して住まいづくりに関する様々なポイントをチェックしよう
これで終わりではなく、まだまだお金がかかります。諸費用として「設計図書作成・工事監理費」「契約図書印紙税」「住宅性能評価申請手数料」「敷地調査費」「ローン手続手数料」がかかります。また、この他に「登記費用」「不動産所得税」「外構(エクステリア)費用」「解体費用」「火災保険」などもあります。そして忘れてならない消費税(請負代金にかかります)。

難しい話は別として、本当に様々なコストがかかり、チェックすべき点が多いことを理解していただけますでしょうか。住宅価格を表すのによく使われる坪単価。これは本体価格を表すのですが、総額を考える上ではあまりアテにならないことが、このことからもよくわかると思います。

「住宅って意外に安く建てられるんじゃない」とお思いの方も多いと思います。が、私はそうは思いません。「住宅は高いもの」だと考えています。それは、住まいづくりが、これまでにご紹介したように複雑で雑多な過程、様々な費用から成り立っているからです。

【参考記事】住宅価格の基本の「き」 坪単価を考える
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