ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[価格]

住宅価格の基本 住まい造りの過程から考察(2ページ目)

注文住宅は分譲住宅とは違い何もないところから形を作っていくもの。そのため、完成・引き渡しまでには膨大な作業が必要になります。今回はそうした過程を紹介し、合わせて住宅と価格の関係についても解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

契約が二度行われるのは?

お気づきかと思いますが、注文住宅の場合、契約を2回交わすことになります。一度目は依頼するハウスメーカーを決定する際、二度目はどんな建物を建てるのかを決定する際です。それにしても、なぜ二度も契約行為を行うのでしょうか。

キッチン
和の雰囲気を採り入れたキッチン。このようなスタイルを実現できるのが注文住宅ならではの魅力だ
それは注文住宅ならではの特殊な事情があるからです。何もないところから施主とハウスメーカー間で合意を形成し建築するのが注文住宅。最初の契約はあくまでハウスメーカーを決定する作業であって、建物に関しては大ざっぱなプランイメージ、総額も概算しか決めることができません。

「住宅展示場のモデルハウスをそのまま作ってください」なんて言う人は、ほとんどいないはずですしね。2回目の契約までに、内外装の仕様やキッチン・バスといった設備、さらにはカーテンや照明といったインテリア、エクステリア(庭やカーポートなど)などなど、詳細を決定していくのです。

また、最初の計画にはなかった施主の希望をこの段階で新たに反映させます。例えば今ですと環境意識が高まっていますから、「やっぱり太陽光発電システムを搭載したい」なんて思うこともあり得ますよね。

住宅ローンの審査も関係

あるいは、「キッチンはガスよりIHクッキングヒーターの方がいい」なんて、後から思いつくこともありますよね。こうして、この時点で建物や金額、それにまつわる全てのことを決定されるのです。

BANK
住宅ローンを融資するのが金融機関。不況のあおりを受けて、このところ審査が厳しくなってきている
二度の契約、変更契約が必要なのには住宅ローンの関係も見逃せません。最近、金融機関の融資姿勢が厳しくなっていることを、皆さんはご存じでしょうか。ハウスメーカー側で大丈夫と見られていた条件が、金融機関の審査で通らないケースもあるようです。

二度目の契約は、この住宅ローンの審査の状況を見極めるためにも重要なのです。審査が通らない場合、異なる金融機関に打診したりします。なお、二度目の契約が成立しなかった場合、最初の契約の際に支払ったお金から実費が差し引かれて施主に返還されるのが一般的なよう。色々なケースがありますから事前にチェックしておきましょう。

次のページでは、このスキームを踏まえた上で、前回ご紹介しきれなかった住宅とお金の話をもう少し書いてみたいと思います。
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