皆さんが住宅づくりやハウスメーカーについて知る重要な窓口の一つに、住宅展示場とモデルハウスがあります。近年、その分野にも様々な変化が起こっています。その象徴的な事例が、このほど東京都墨田区内にオープンしたパナホームの日本初となる5階建てのモデルハウスにみられます。これを例に、今回は都市型住宅やモデルハウスのあり方なども含め、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

東京スカイツリーの近くに立地!

5階建てモデルハウス

パナホームが建設した我が国初の5階建てモデルハウス。背後に東京スカイツリーが見えるが、商業施設と住宅が混在するエリア向けの建物だ(クリックすると拡大します)

5階建てもモデルハウスは、東京都墨田区にある総合住宅展示場「本所吾妻橋ハウジングギャラリー」内にあります。ここには他のハウスメーカーも含め5棟のモデルハウスが建ち並び、パナホームのほかには4階建てのモデルハウスが建てられています。

いわゆる都市型住宅に特化した展示場であり、そのほとんどが重量鉄骨造で建てられています。ただ、うち1棟は三井ホームのモデルハウスで、これはツーバイフォー工法によるものです。木造軸組工法を含めた木造住宅でも、最近は中層建築物を建てられるということが、ここで事例としてわかります。

一般的な展示場では、2階建てを中心に3階建てまでが建てられているのが一般的です。ただ、展示場というのはその地域のニーズを強く反映するものであり、近年は特にその傾向が強まっています。つまり、展示場やモデルハウスは、地域によって異なるものが建てられているということです。

さて、本所吾妻橋の展示場は東京スカイツリーに隣接するエリアです。東京の中でも今後、人口が増え、新たな商業施設ができるなど、賑やかな地域に変貌しつつあります。元々、東京の下町であり、住宅やビルが密集したエリアですが、街の様相が今後大きく変わることが予想されるわけです。

ビル型住居とは異なるハウスメーカーならではの提案

そうしたエリアは、東京直下型地震などの災害に大きな被害が想定されるエリアでもあります。ですから、街の発展とともに防災なども含めた街の再開発も期待されます。で、そこに建てられる住宅には、非常に高度な技術と提案力が求められるようになるのです。

店舗スペース

モデルハウス1階にある店舗を模したスペース。このような空間づくりにもハウスメーカーならではのセンスの高さがうかがえる(クリックすると拡大します)

ですから、ここに都市型住宅、中でも4階建て以上に特化した展示場が新規にできたのは、各ハウスメーカーがそれらの要素を有し、近隣のニーズに対してアピールするためなのです。行ってみるとわかるのですが、4~5階建ての住宅が建ち並ぶ様子は、住宅というよりビルが建ち並ぶイメージです。

市街地の繁華街などでは、ビルに居住スペースを設ける例もみられますが、ここのモデルハウスはやはり住宅の要素を色濃く演出されています。とりわけ、パナホームの5階建てモデルハウスは、住居部分だけでなく店舗スペースと賃貸部分も含めた「ザ・都市型住宅」という趣でした。

そもそも、パナホームを含めたハウスメーカーというのは、このような商業施設も含まれる住宅密集地域での住宅建築というのは、これまでどちらかというと不得意としていましたが、近年の技術力や提案力の進歩によって、このようなエリアにも進出してきたという経緯があります。

次のページでは、パナホームの5階建てモデルハウスを事例に、その進歩した内容を詳しくご紹介したいと思います。