音には、大きく分けて2つの種類があります。
ひとつは、直接物を通して伝わる個体伝播音。もうひとつは空気の振動を利用して伝わる空気伝送音です。それぞれ性質の違う音なので、それぞれにあった防音対策をすることが必要になります。
個体伝播音には、ドスンドスンという重量衝撃音と、軽いもの(スプーンやスリッパなど)を落とした時の軽量衝撃音があります。重量衝撃音は、コンクリートでできている床(スラブという)を揺らして起こる音なので、スラブが厚いほど遮音性が高くなります。よく、マンションの広告などに「床スラブ厚200mm」とか、記載されていることがありますが、それはどのくらい遮音性があるかを示しているわけです。
現在、スラブ厚は150~180mmが多いようですが、音にこだわるのなら200mm以上は欲しいところですね。
一方、軽量衝撃音は床の仕上げの構造によって左右されます。もちろん、スラブ厚も関係していますが、床の仕上げがフローリングなのかカーペットなのか、また床の工法が直張りなのか置き床なのか、などによって変わってきます。
また、どのくらいの防音レベルかを客観的にしめすために、「遮音等級」という指標があります。個体伝播音の場合は、「L-50」というように表示され、Lの後ろについている数字は小さいほど遮音性が高いと言われています(L-50は標準くらいで、L-30だとほとんど音は聞こえず、L-70だと1円だまを落としても分かるくらい)。