悪い事をすると罰せられてしまう!?
この例のビジネスマンは、彼にはちょっと悪いですが、自業自得だと思う方もいるでしょう。実際、罪の意識が心身症の原因となることがあります。「自分は過ちを犯してしてしまった。家族に申し訳ない」といった罪の意識から、「罰を受けなくてはならない。悪い病気にかかってしまうべきだ」といった潜在意識が生じてしまったのかもしれません。また、体の不調が生じた時、それをどのように解釈するかは、その人のその時の状態にもよります。例えば、肋骨にヒビが入っていたら、とても痛いはずですが、試合中に激しくプレーしていたスポーツ選手が試合後、肋骨にヒビが入っていたことが分かる事があります。心気症では同じ体の刺激でもより強い痛みや不快感として捉えやすくなります。うつ病や不安障害などの心の病気が背景にあることが多く、脳内で生じている、神経伝達物質のバランスの乱れが痛みや不快感への感受性を高めてしまっている可能性があります。
心気症の治療では、その背後にある事が多い、うつ病や不安障害に対処すると同時に、心に葛藤を生じさせているストレスとの対処を学び、不安のレベルを下げるように手助けします。
災難は忘れた頃にやってくるという言葉がありますし、余計な心配をせず、今を楽しむのが一番だと思いますが、ここで挙げたビジネスマンの例もありますので、やはり悪い事はしないに越したことはないと思います。
<All About関連>