がんの治療と栄養管理
食欲アップには、食卓の雰囲気も大切です。 |
栄養管理もがん治療の一環として大切です。栄養を摂取しすぎると癌細胞に栄養を与えすぎるという考え方も存在するようですが、現在のところは十分な栄養摂取が重要だとされています。がんの人の栄養療法で大切なのは、まずは体重を落とさないことです。栄養状態を示す検査値等をモニターすることも重要です。
今回は体重減少がみられる人・体重を維持したい人向けに、体重アップ・維持をする食事法を紹介します。紹介する食事法は以下の通りです。
- 食事をする際のコツ
- カロリーアップのコツ
- たんぱく質アップのコツ
- 水分補給
- おやつ時間のコツ
食事をする際のコツ
■味付けに工夫する塩辛く感じたり、甘く感じたり、味が無いように感じる場合は味付けに工夫する。塩辛く感じるときは、塩を控えたり、少し砂糖を足したり、酢やレモンを使って酸味を加える。甘すぎるときは、砂糖を控えたり、少し塩を足したり、酢やレモンを使って酸味を加える。味が無いように感じるときは、色々な調味料を試したり、ハーブやスパイスを使うのも効果的な場合もある。自分にあう味付けを見つける。
■食事回数を増やす
あまり食欲がない場合は、量を少なくして食事回数を増やす。お腹がすかないという人は、食べる時間を計画する。
■食事をするタイミングをみつける
一番お腹がすく時間帯を見つける。十分に休息をとった朝に食欲が増す場合もある。
■食事と水分は同時に摂取しない
より多く食べるために、食事中に水分をあまり取らないようにする。食前・食後30分から1時間以内にも水分をあまり取らないようにする。必ず味噌汁を食べる人なども要注意。
■食卓のセッティングにも注意する
食卓を飾りつけたり、お気に入りの器を使って食事の時間を演出する。料理の色合いも工夫する。
■食べ物のにおいに注意
においに気をつける。好ましくないかおりは、食欲不振や吐き気につながるので注意する。冷たい料理や室温程度の料理も試してみる。
■栄養士を活用する
栄養士に効果的な調理法や、カロリー・たんぱく質やその他の栄養素について聞いてみる。体重の変化や栄養状態を示す検査値などもみてもらい、カスタマイズされたプランを作ってもらう。
■生ものを食べても大丈夫か確認する
生野菜、生フルーツ、刺身などの生ものを食べても大丈夫なのか医師に確認する。
カロリーアップのコツ
■油の量をアップする多めの油を使って料理する。サラダにも油が多いドレッシングを使う。調理法にも気をつける。例えば、豚肉ならトンカツや酢豚、鶏肉ならから揚げにしてカロリーアップする。ただし、コレステロールを上げる原因ともなる動物性脂肪は控えて、キャノーラオイルやオリーブオイルを選ぼう。
■甘いものは甘くする
おいしいと感じられる範囲で、甘いものは甘くして食べる。黒砂糖、蜂蜜などを活用する。果物を食べる場合も、缶詰の果物を使ったり、りんごや桃などを甘く煮たりする。
■水分にも気をつける
水・お茶・コーヒー・味噌汁などはカロリーが低く、満腹になりやすいので、牛乳、飲むヨーグルト、豆乳、フルーツジュース、ココア、ポタージュスープなどを飲むように心がける。
たんぱく質アップのコツ
■多めに肉・魚・豆などを使う毎日の料理で使う、肉・魚・豆・豆腐などの量を少し増やす。少しの違いでも、長期的には大きな違いにつながる。
■自分用の高たんぱくドリンクを作る
例えば、牛乳1カップあたり、ミルクパウダーを1/4カップ混ぜる。
■肉や豆類以外のプロテインも積極的に活用する
チーズ、ヨーグルト、ナッツ(胡桃、ピーナツなど)、卵、ピーナツバターなども使用する。
水分補給
■1日1.5リットルは飲もう水分補給も大切。水分を摂取する時は、できるだけカロリーのある飲み物を選ぶようにする。
おやつ時間のコツ
■おやつはいつでも食べれるようにおやつは常備する。アイスクリームやナッツ類など、保存が利きすぐに食べれるものを準備する。
■夕食後のおやつタイムも
夕食後に少量でもいいのでおやつを食べる。翌朝の食欲に悪影響が出る場合は少ない。