自分でできるいびき防止法

お手軽に、あるいは秘かにいびきを治したい人のために、生活習慣や寝具の見直し方と、市販のグッズをご紹介します。

■生活習慣やクセを改善しよう

お酒を減らす、やめる
アルコールはのどをむくませるので、普段はいびきをかかない人でも、お酒を飲んだ夜にはいびきをかくことがあります。大事な夜には、アルコールもほどほどに。
減量する
肥満の人が体重を落とすと、のどについた脂肪も落ちて、空気の通り道が広がります。減量手術を胃に施すと、body mass index (体重 kg ÷身長 m の二乗)が46から35(正常値:18.5~25)に減るとともに、習慣性いびきの割合も82%から14%に減少した、という報告もあります。
鼻の詰まりを減らす
鼻腔を広げるアイテムは大きく分けて、皮膚に貼るテープ類と、鼻の穴に入れて使うものがあります。皮膚がかぶれにくい人は、プラスチックのバーが付いたテープがお手軽です。鼻の通気率が31%も向上する、というデータもあります。鼻に入れて使うタイプは、小さなプラスチックやシリコンでできた製品の両端を小鼻に入れて、製品の持つ弾力性を利用して小鼻を広げるものです。
ノゾウェント
鼻の乾燥を防ぐ
鼻の中はいつも湿っていますが、乾燥すると気流が乱れていびきが生じます。また、鼻呼吸が辛くなるので口呼吸となり、これもいびきの原因となります。加湿器を使って部屋の湿度を上げても上手くいかないときは、鼻の乾燥を防ぐ市販の点鼻スプレーが効果的です。
口を開けない
睡眠中に口が開くと、舌がのどに落ち込みやすくなり、いびきが出やすくなります。鼻のつまりがない人は眠る前に、口が開かないようにするテープを貼るとよいことがあります。

■寝具・寝姿勢を見直そう

寝具の選び方
柔らかい枕やマットレス・敷布団は、高級感があふれていて素敵ですが、いびきをかく人は避けたほうがよいでしょう。仰向けでいびきをかくと、呼吸が苦しくなるので、自然に寝返りがしたくなります。ですから枕やマットレス・敷布団は、寝返りしやすい程度にやや硬めのものがお勧めです。変わったところでは、いびき・センサーが付いている枕も市販されています。
いびき軽減枕 V-1
頭を上げる
高い枕を使うと首が曲がってしまい、のどが圧迫されるのでいびきをかきやすくなります。しかし、上半身全体を15度ほど上げると、顔のむくみが減り、舌がのどに落ち込みにくくなるので、いびき予防に効果があります。

ポジションニング法
仰向けで寝ていると舌がのどに落ち込んでしまい、空気の通り道が狭くなるのでいびきをかきやすくなります。そのため、横向き寝やうつぶせ寝が勧められています。抱き枕を抱くと姿勢が安定して、横向きや半うつぶせ寝で眠りやすくなります。また、クッションを腰につけて仰向けになれないようにした横向き寝専用グッズや、うつぶせ寝専用の枕、さらには顔が当たる部分がくり抜かれたうつぶせ寝用のベッドもあります。
ポジショニング法

■アイテムを活用しよう

口腔内装具(マウスピース)
医療機関でも使われることがある、口の中に入れるマウスピース型のアイテムは、高い効果が期待できます。マウスピースを上下の歯と唇の間に挟むと、下顎や舌の落ち込みが予防されて、いびきの解消に役立ちます。下顎がやや持ち上がるタイプのものや、自分の歯の形にピッタリと整形できるものもあります。約半数の人でいびきの回数が減り、7割以上の人が効果に満足した、という報告もあります。
スノアウィザード
腕時計型センサー
センサーがいびきを感知すると微弱な電気刺激を出して、寝返りを促してくれる装置があります。寝ている姿勢が変わることで、鼻からのどの空気の通り道が広がり、いびきが止まるという仕組みです。
スノアストッパー

医療機関で受けるいびきの治療法

いびきを何とかしたいと思ったとき、どこの病院へ行けばよいのでしょうか? 診断から治療までの流れが最もスムーズなのは、睡眠障害を専門に診ている医療機関を受診することです。睡眠障害の専門医や専門歯科医は、日本睡眠学会のサイトで検索できます。

日本睡眠学会
睡眠医療認定医リスト

近くに専門医療機関がない場合には、まず、通院可能な呼吸器科、歯科、耳鼻咽喉科、精神科、メンタルクリニックなどで相談してみましょう。口腔内装具(マウスピース)なら歯科へ、鼻やのどの手術なら耳鼻咽喉科へ、精神的なストレスを強く感じているなら精神科やメンタルクリニックがお勧めです。

呼吸器科
歯科
耳鼻咽喉科
精神科

最近では、「いびき外来」を開設しているところもありますから、インターネットで検索してみるのもよいでしょう。

医療機関で受ける治療には、以下のようなものがあります。

生活指導
治療の基本は、前のページにあるような、生活習慣の改善や睡眠時の工夫を確実に行うことです。しかし、「分かっているけれど、1人では続けられない」という人は、定期的に外来通院しながら、医師や医療スタッフから指導や支援を受けましょう。
アレルギー性鼻炎などで鼻づまりを起こしている人は、まず、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬での治療を行います。扁桃腺が化膿して腫れていれば、抗生物質でバイ菌を退治します。いびきそのものに効果がある薬はまだありませんが、時には呼吸を刺激する薬や気道を広げる作用のある薬、抗うつ剤などが使われることがあります。
口腔内装具
歯科で作られる睡眠時呼吸障害治療用のマウスピースは、健康保険を使える場合があります。これをつけると下顎が5~10ミリ、前に引き出されて気道が広がり、いびきを減らしてくれます。市販品がうまくフィットしない人は、専門家に作ってもらうとよいでしょう。睡眠中に口を開けないようにするために、口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングを指導してくれるところもあります。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)
鼻に専用のマスクをつけて、圧力がかかった空気を呼吸することで気道を広げる治療法です。見た目は辛そうですが、効果がある人は呼吸がとても楽になり、グッスリ眠ることができます。自己負担額は、保険の適応があれば3割負担の人で、毎月5000円ほどです。
鼻の手術
鼻中隔彎曲症がひどい人には鼻中隔矯正術、肥厚性鼻炎には下鼻甲介切除術あるいは形成術、鼻茸がある人は鼻茸切除術などが行われます。睡眠中の無呼吸や低呼吸を減らすほどの力はありませんが、適切な手術を受ければいびきを減らす効果はあります。
扁桃摘出術
口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイド(咽頭扁桃)が大きい場合、これらを取り除いて気道を広げます。
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
口蓋扁桃を取ったうえに、軟口蓋や口蓋垂を小さくすることで、のどを広くする手術です
手術のすぐ後はいびきの改善率が90%に達し、満足度も65%くらいありますが、5年間の長期成績を見ると、満足度が50%以下になってしまいます。
レーザーによる口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術に比べて体へのダメージが少なく、日帰りで手術を受けることもできます。手術直後は、90%以上の人がいびきの改善に対して満足していますが、5年以上経っても満足している人は30%以下に減ってしまいます。
高周波あるいはラジオ波による凝固治療
専用のプローブを鼻から軟口蓋、扁桃に入れて粘膜の下の組織を凝固させ、気道を広げる方法です。レーザーよりも侵襲が少ないので、最近、注目を集めています。いびきの程度も、半分ほどに減るという報告が多くありますが、長期成績はまだよく分かっていません。
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