ADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療法
ADHDは決して稀な病気ではありません
未治療のままでいると、学習についていけなかったり、問題行動を起こしてしまったりといった行動が起こり、自分に対して自信を持てず、周囲に溶け込めない、周りから仲間として扱われないといったネガティブな状態が生じてしまいます。さらに、自分を取り巻く環境に反感を覚えることから、反社会性パーソナリティ障害が生じてしまう可能性もあるため、小児期に適切な治療を受けることが大変重要です。
ADHDの発症には生物学的、環境的、心理的な要因などが複合的に寄与していますが、生物学的要因の寄与が大きいと考えられており、薬物療法が重要な治療法となります。以下に、ADHDの治療法をまとめます。
薬物療法によるADHD治療法
小児期の薬物療法としては、脳を刺激する治療薬が主に用いられます。中枢神経を刺激すると、一見、ADHDの特徴である注意不足、多動性、衝動性を悪化させるように見えるかもしれません。脳を刺激するとADHDの症状が改善するのは、注意を保ち、行動や衝動をコントロールするためには、脳が十分、覚醒している必要があるからです。つまり、治療薬により脳の覚醒度を上げることで、症状が改善するということです。