「男のよしみ」で交わされるうっかり言動がセクハラになることも!
「酒の席だから」「男同士だから」といった考えは通用しません。男性同士でも、セクハラ発言はセクハラ発言です
セクシャルハラスメントは、「男性から女性に対する性的な嫌がらせ」と捉えている方がまだ多いかもしれません。
2007年の改正「男女雇用機会均等法」の施行により、男女双方に対する差別の禁止のほか、セクシャルハラスメントは男性に対して行われるものも対象となり、職場での対策は事業主の「努力義務」から「措置義務」へと拡充されるようになりました。そして、2014年7月から施行された同法の指針改正により、セクシャルハラスメントは同性に対するものも含まれることが明記されました。
たとえば、男性の多い職場では「男同士だから」といった気持ちから、以下のような言動が無意識のうちにかわされていることもあるようです。
- 上司との性的な話題に付き合う男性社員が、上司に好かれて厚遇されることがある
- 新入社員が来ると、飲み会などで性的初体験などを聞いて場を盛り上げようとする
- 体の一部分を茶化したあだ名を付けられている社員がいる
- 性的な冗談を受け入れないと、何となく仲間外れにされてしまう
- 接待などとして、性的サービスを取り入れることを要求される(風俗店での接待や飲み会の余興としての服を脱ぐことなど)
同性間でも性的な話題に付き合わされるのは非常に深刻な嫌がらせ
「性的な話題は男同士の絆を強くする」という思い込みは、まったくの誤解! |
しかし、性的な話題はプライバシーに関わるもの。私的な仲間との会話なら抵抗がなくても、職場という公的な場所で交わされると、非常に違和感を覚えるものです。それなのに「男性は性的な話題を好むもの」という固定観念を押し付けられ、苦痛な話題に嫌々付きあわされている例も少なくありません。
また、当人だけでなく、周りに与える不快感も大きな問題です。性的話題が持ち出されることによって、口や顔には出さなくても働く意欲が阻害される人もいます。したがって、仕事を通じた付き合いでは、誰に対してでも、どんな状況でも、「性的話題はタブー」と心得ておくことが大切です。
職場のセクハラをやめさせる方法
不快感を我慢せず、法律の知識を持って自分の人権を守ろう! |
たとえば、冒頭で紹介したようなケースで苦しんでいる人は、次のようなステップで現状を変える努力をしてみてはいかがでしょうか?
- 「男女雇用機会均等法」の内容を把握しておき、セクハラだと感じたら、その場ですぐに指摘する
- それでも変わらない場合や、さらに嫌がらせが続く場合は、上司や社内の相談窓口に相談する。上司に相談しにくい、相談窓口がない、利用しにくいようであれば、地域の労働相談窓口、セクハラ相談窓口等で相談し、具体的なアドバイスを受ける
- 2で相談した内容を基にして、加害者にセクハラをやめてほしいことを主張したり、周りの社員と話し合って上司や会社に提言する。人事課や相談支援セクションの支援を受ける
さまざまな価値観を持つ人が働く職場だからこそ、みんなが気持ちよく働ける環境を目指していきましょう。