人間関係を円滑にする
「アサーション」を覚えよう
前ページにみた、A・B双方に共通の主張とは、どんなものでしょう。それは、「あなたが話したいことがあるように、私にも話したいことがある」ということです。理想的なコミュニケーションとは、そのあなたが思った気持ちを素直に伝えることなのです。Aの場合はその自分の主張を伝えずに、ななめに相手をとらえてしまっています。Bの場合も自分の主張を伝えず、ストレスをためこんでしまっています。
人間関係を円滑に続けるためには、相手と自分の両方を大切にしたコミュニケーションをしなければなりません。そのためには、相手を切り捨てるのも、常に自分を後回しにするのもダメで、相手の話を聞きつつ自分の主張も忘れない、という会話を意識する必要があるのです。
このように、自分の考えをしっかり主張できる自己表現のことを「アサーション」といいます。
相手を尊重しつつ、
自己主張するのがアサーション
では、前ページに見たAとBの考えを、アサーティブなとらえかたで表現してみるとどうなるでしょう? 例を出して考えてみましょう。例1)
「毎日大変な中、がんばっているんだね。Yさんだから、乗り越えてこれたんだね。でも、せっかく会ったんだし、私の話も聞いてくれるかな」
例2)
「Yさんの気持ち、とってもよくわかる。私でよかったら、また話を聞くね。でも、せっかくこうして会ってるんだから、お互いの話をしようよ。昨日ね・・・・・・」
このように、自分を主張するときには、相手への尊重を忘れないようにすることが重要です。そして「話したい」と思ったことは、そのコミュニケーション中にしっかり主張することが大切です。
あまりにも相手が一方的に話しすぎていたら、「ちょっと待って。Yさん興奮しすぎているよ」などと、相手のペースを修正してあげてもよいのです。また聞くのに疲れたら、「今日はもう遅いから、また今度話さない?」と主張することも大切です。
双方がしっかり意見を交換しあえてこそ、コミュニケーションは成り立つのです。