「シンプル流行り」に流されていないか?
あなたが選んだ「シンプル・スタイル」に、思想はあるか? |
「シンプル・スタイル」を選ぶことは、華美や無駄、どうでもいい部分をそぎ落とし、自分にとって本当に必要な機能や形、ライフスタイルなどを追求することです。これは同時に、「自分に必要なのは、もうこれだけ」と、心の中で一線を引くことでもあります。
これは、ある意味で「達観」を意味します。この潔さが、知的でかっこいい印象を与え、「ワンランク上」で「おしゃれ」に見えるのです。
しかし、安易にシンプル・スタイルを取り入れてしまうと、思わぬストレスを呼び込むことにもなりかねません。
シンプルにしばられたファミリー住宅の悲劇とは?
シンプル・スタイルにこだわりすぎた住まいは、窮屈なだけ |
住宅の基本カラーは白で、ファブリックはモノトーンを基調。調度品もカラーを合わせ、高級なものを少しだけ配置して、空間をすっきり見せる。
食器や日用品も、ブランドやカラーをなるべく統一させる。「生活感」が見えないような空間にするため、おもちゃなど雑多なものはリビングに持ち込まない。チリや手垢ひとつなく、すべてが整然と片付けられている。・・・・・・こんなところが、最近流行の「おしゃれでシンプルな家づくり」の典型例でしょう。
たしかにこうした家は、洗練された印象を受けます。しかし、「シンプル」にしばられて、「~しちゃいけない」「こうでなくちゃならない」と、住まいを窮屈なものにしているケースもたくさん見受けられます。
ファミリーで生活する以上、家は「生活感」や家族全員の個性が感じられてこそ、家なのです。生活雑貨や子どものおもちゃ、お父さんの趣味用品など、雑多なものが混在していても、なんとなく居心地がいい、和める空間が家です。
しかし、シンプルという理想ばかりを追って、制限を加え続けていると、羽を伸ばせる雰囲気がなくなります。あなたの暮らす空間はどうでしょうか?