認知療法の「コラム法」で自動思考を修正しよう
いつもマイナス思考にしばられてしまって最近どうも楽しい気持ちが湧いてこない、という人は、ノートに次のような5つの欄(コラム)を書き、いやな気持ちが起きたときの状況や、そのとき浮かんだ考え、あとで考え直したときの考えなどを具体的に記入してみましょう。○月 ○日(下は、書き込み例です)
1. 不快な感情が起きたときの状況
同僚の○○さんに、「おはよう」とあいさつしたら、今日は無視された。
2.そのときに感じた不快度(%)
・不安、怒り、悲しみなど むかつき(80%)
・悲しみ(70%)
・むなしさ(70%)
3.とっさに浮かんだ自動思考と確信度(%)
・私(俺)って、もしかして嫌われている?(70%)
・ あいさつなんかするだけムダだ。(50%)
・ こっちだって、二度とあいさつするもんか。(50%)
4.自動思考に代わる別の考え方と確信度(%)
・ なにか考えごとをしていたのかもしれない。(80%)
・ こちらの声が聞こえなかったのかもしれない。(80%)
・ あいさつを返すタイミングを逃してしまったのかもしれない。(60%)
・ 嫌っているとしても、大人なんだし、同僚のあいさつにわざと無視するということは考えられない。(60%)
5.不快度はどう変わったか(%) むかつき(30%)
・悲しみ(20%)
・むなしさ(30%)
このように、とっさに浮かんだ自動思考を現実に則して考え直し、認知のゆがみを修正する方法を「認知療法」といい、なかでも、上のように5つのコラムに自分の考えを書き込んで冷静に見つめなおす方法を「コラム法」といいます。この方法は、うつ病の治療でも使われる心理療法のひとつです。
いつもマイナス思考にしばられて楽しい考えが浮かばない人は、こうしてノートに自分の考えを書き込むことで、自分の自動思考のパターンを検証してみましょう。そして、現実に即した考えるクセをつけることで、認知のゆがみを修正することができるのです。
また、逆にいつも突拍子もない楽観的な考え方で突き進んでしまう人も、このコラム法を用いて自分の思考パターンをチェックしてみるといいでしょう。より現実に即した冷静な考えをするきっかけになります。