30代は「心の危機」が最多!?
今や、30代のメンタルは深刻な危機 |
30代の心の危機は、他の統計でも顕著です。「いのちの電話」の年間相談件数は、例年30代がトップ。(財)社会経済生産性本部・メンタルヘルス研究所の調査でも、企業で働く心の病は30代が例年トップで、しかも伸び率が著しいという結果です。
「ミドルエイジ・クライシス」の若年化!?
過重労働とリーダー職の重責が、30代を苦しめている |
2007年の「労働力調査」では、週49時間以上働いている世代は35~44歳が最多。さらに、2007年の精神障害による労災認定件数(過労自殺含む)は過去最多で、なかでも、30代は4割も占めています。
こうした背景には、近年の人材空洞化が影響して過重な労働負担がかかり、30代正社員は現場の実質的なリーダーとしての重責を担わされやすいという事情があるでしょう。しかも、近年入社する若年層は非正規社員が多いことから、仕事の質の違いによって負担を軽減できないことも現実です。
このような「板挟み世代」特有の心の負担は、いわゆる「ミドルエイジ・クライシス」によく見られ、40代に多い現象でした。しかし、昨今の雇用事情の変化によって、ミドルエイジ・クライシスの若年化が起きてしまっていると考えられます。まして、人生経験が少なく、私生活の基盤も安定していない30代にとっては、これは大きなストレスです。