食と健康/食と健康の基礎知識

無理なダイエットを続けるリスク

男性の肥満が取りあげられがちですが、若い女性に見られる「やせすぎ」も問題です。今の体調不良だけでなく、将来産んだ子どもに、また年を重ねてから出てくるリスクもあるのです。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

スレンダーでも、まだやせたい女心

やせる必要がないのにやせたい女心。でも無理なダイエットは体調不良などリスクがあります。

やせる必要がないのにやせたい女心。でも無理なダイエットは体調不良などのリスクがあります。

平成20年国民健康・栄養調査の報告では、体型について「平成12年以降、やせの者の割合は、20歳代の女性では、横ばいの状況にある。性・年齢階級別にみると、20~30歳代女性では、実測によるBMIも理想とするBMIも他の年齢階級より低い。肥満者の男性では29.8%が体重を減らそうとしていない。一方で、やせの女性では12.6%が体重を減らそうとしている。」とあります。
 
肥満は、メタボリックシンドロームや生活習慣病につながるため関心が高まっていますが、「やせすぎ」もまた問題です。やせる必要がないにも関わらず、しかも偏った食事や極端に食べないような無理なダイエットで栄養のバランスが偏ると、病気とまではいえなくても様々な症状が出てきます。
 
例えば鉄分等か欠乏すると、貧血を招き、冷えやだるい、疲れやすいといった症状が出てきます。冷え症だからといって、いくら足湯に浸かったり、ショウガ紅茶を飲んでもそれは対処療法であり、貧血からきている冷えであれば、その貧血から改善しなければ根本的な解決にはなりません。
 
栄養素というのは、例えば鉄分は、その吸収を高めるにはビタミンCをあわせるとよいなど、お互いに作用を助けあっていますから、幅広い食べ物からさまざまな栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
 

やせすぎから、様々な体調不良に

深刻な「やせ」状態が長期間続くと、貧血や疲労感、冷えからくる頭痛や月経不順、精神的ストレスに弱くなることにもつながります。

また最近は、思春期のダイエット志向も強くなり、やせ願望から食べることを拒否し、精神的な疾患として治療が必要になる神経性食欲不振症(拒食症)にまで進むと、抑うつ症状や低体温、その他の深刻な合併症などが問題となっています。治療も困難なため、厚生労働省研究班は予防、早期発見などの指針を作成し、早期の発見と治療を呼びかけています。
 
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