ベルギー/ブルージュ

ブルージュの基本情報

「天井のない美術館」と呼び声の高い古都ブルージュ。ベルギーに来たら必ず立ち寄ってほしい魅力溢れる中世の町。出かける前に予習で知っておいてほしい町の歴史と魅力を駆け足でご紹介。

執筆者:林 瑞絵

ベルギー屈指の観光地、古都ブルージュ

ブルージュ

童話のような風景が広がるブルージュ

ブルージュ

中心地は何世紀もほぼ変わらぬ風景

「天井のない美術館」、そんな呼び名さえ一寸の誇張なく響くブルージュは、ベルギーで最も人気の高い観光地。童話の絵本のページから抜け出してきたような景観で、中世ヨーロッパの風情を今に伝えます。私の周りで、ブルージュに失望した人はまだ一人も知らないほど。ベルギーに限らずヨーロッパを訪れる予定がある人は、旅のスケジュールにブルージュ観光を組み込むことを強くお勧めします。

ではガイドが鼻息荒めで推薦するブルージュがいったいどのような町か、簡単に町の歴史と魅力をご紹介していきましょう。

 

ブルージュの歴史

ブルージュ

町の運命は水路とともにあった

古くから北海をつなぐ水路のおかげで、欧州有数の商業都市だったブルージュ。15世紀には織物産業の隆盛で町は大いに潤い、「中世のフランクフルト」と言える国際金融市場を形成します。

ところが1482年に入り江が土砂で埋まり、海上交通が閉ざされると運命は暗転。商業の繁栄を港町アントワープに譲り、町は深い眠りに入ります。こうして歴史の表舞台から姿を消したブルージュは、やがて没落の一途を辿るのです。

 

ブルージュ

風車もブルージュの人気者

長い眠りを経て、ようやく古都の歴史に薄日が射し込むようになったのは19世紀の頃。まずは戦争を終えたイギリス人らが、いち早く観光地としての魅力を見出します。なかには物価の安さにひかれ移住を始める人もちらほら。さらに世紀末には、ジョルジュ・ローデンバッハの小説『死都ブルージュ』が世界的なベストセラーとなったことも話題に。

大戦時にはブルージュも占領も経験。敵国ドイツの司令官は町の爆撃命令を受けますが、「この地方で最も美しい町なのだからとんでもない!」と上官の命令をはねのけます。あわや危機一髪で、町は瓦礫の山となる運命から救われたのでした。

こうしてゆっくりと目を覚ましていった“麗しの眠り姫”ブルージュ。世紀を超え、奇跡的に保持された中世の面影を残す“美貌”は、世界中の観光客を魅了し続けます。人口2万5千人ほどの旧市街地内には、現在、毎年320万人の観光客が押し寄せるのです。
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