普通の生活で、お年寄りに変化が!
●入浴
これまではそれぞれ決められた日に入浴していましたが、担当のスタッフがいつもそばにいるので、言えば好きな日に入れるように。昼風呂もできるようになったそう。 |
●食事
ユニット化にともない、毎食1品は、お年寄りと職員が一緒に作るという試みも実行。パン、おかゆ、ご飯の選択もその都度、自分でおこなうことにしました。トレーも廃止し、目の前で好きな量をよそいます。少人数のせいか、食事中の会話も生まれ、お年寄りの食欲はおおいに増進したとのこと。 |
●くつろぎの時間
それぞれお気に入りの空間を見つけ、お気に入りの友達と過ごすようになったお年寄りたち。テレビを見る人、おしゃべりする人、編み物をする人。「眠る」「食事する」だけの生活が大きく変わりました! |
以前、入居していた施設では、夜中に奇声をあげるなどの問題行動、徘徊を繰り返し、高い柵のついたベッドに寝かされていたお年よりも、みるみる元気に。きちんとお化粧して、職員と冗談を交わすまでになったとのこと。
普通の暮らしを実現すること。これが万葉苑が導入したユニットケアの極意だったといえます。
Q どんな施設がユニットケアを導入している?
▼
万葉苑のように以前からユニットケアを実践している施設もありますが、まだまだ少数派。新設の特別養護老人ホームには、「全室個室」とともに、「ユニットケア導入」が義務づけられています。 |
Q すべての施設が効果的なユニットケアをおこなっているの?
▼
残念ながら、建物内を仕切ったり、入居者を分けるだけのケアに終わってしまっている例も見られるよう。入居を決める前に、施設内を見学し、お年寄りの表情や生活ぶりを見せていただきましょう。 |
Q 今後、ユニットケアは広がる?
▼
全国で取り入れつつあるケアですが、厚生労働省によると、ユニットケア利用者の数は、2015年時点で特養ホーム入居者の約3割に過ぎないとの試算も。今後の動きに注目しましょう。 |
ユニットケアの目的は、お年寄りの個性を尊重し、互いに人間関係を築きながら、普通の日常生活を送れるようにすること。入居施設を決めるときは、生きたユニットケアが根づいているかどうか、見きわめるようにするとよいですね。
【参考文献】
全国厚生労働関係部局長会議資料
特養でその人らしく生きるために(のびのび委員会)
【関連サイト】
ユニットケアってなに? from AllAboutJapan 介護
介護・福祉施設の情報・検索 from AllAboutJapan 介護
2001年10月に取材した内容によります。万葉苑 小寺一隆主任生活指導員のご冥福を心よりお祈り申し上げます。