文章:川内 潤(All About「介護」旧ガイド)

ダメ老人ホーム
まだまだ未成熟な老人ホーム業界に要注意
ここ数年で老人ホームの数が激増しています。特に民間企業が中心に運営している有料老人ホームは、介護保険が始まった2000年4月には約230件でしたが、2006年10月現在では約2220件にまで増えました。「あの社員寮が老人ホームになった」「駅の近くにマンションみたいな老人ホームが建った」「新聞に老人ホームの入居者募集のチラシが織り込まれてくるようになった」など、身近にも変化が起きているのではないでしょうか?

たくさんの選択肢が増えた、という面では大変ありがたいことではありますが、全てが質の高い介護をしているわけではありません。同じお金を払ってもよりよいホームに入居するために、その見分け方を知っておくことが必要です。

そこで今回は、ご自身の介護現場での経験を活かし、【誰にも聞けない!「介護現場の常識・非常識」】という介護現場スタッフ向けの有料情報を発信している介護現場研究所の大泉氏に、介護施設を運営する側から見た、よりよい老人ホームの選び方について、お話を伺ってきました。
 

地域に密着しているかはタクシーの運転手に聞け!

老人ホーム選びの支援している私がとても面白いと感じたのは「駅からタクシーに乗って、『老人ホームの○○まで』といっても通じないところは、地域との交流がない」という点でした。確かにタクシーの運転手は、一定の地域で運行をしているため、その地域の移動ニーズを把握しているものです。

また、タクシーの運転手は、場所を言われてすぐその場所に行くことができるように、日々情報収集をしております。まだオープンして間もないホームであれば仕方ないのかもしれませんが、設立して数年経過していて、タクシーの運転手がホーム名を聞いても「さて、どちらにある老人ホームでしょう?」と聞き返されてしまうようでは、行き来をしている面会者もいない、地域に情報も発信していない、閉ざされたホームになってしまっている可能性が高いです。

私も、全国各地のホームに訪問してきましたが、タクシーの運転手にホーム名を伝えるだけで済むこともあれば、時には施設に電話をしてタクシーの運転手に直接説明してもらったこともあります。いくら豪華につくったパンフレットに「当ホームの理念は地域密着の介護です」と美辞麗句を記載していても、実態が伴っていないホームはたくさんあります。老人ホームの見学をされる際は、タクシーをご利用されるのもよいかもしれませんね。


次のページでは、介護施設に到着後のチェックポイントを説明します。