施設が「我が家」にかわる
ケアを



大勢のお年寄りが集められた大食堂。トレイの食事を誰もがただ黙々と食べている――高齢者入居施設での食事風景といえば、まずこんなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。






多くの特別養護老人ホームや老人保健施設などでは、入居者全員のケアをローテーションで行う「一斉介護方式」がとられています。そのためか中には「一把ひとからげ的」なケアに傾きがちな施設も。流れ作業での入浴介助や一斉おむつ交換などは温もり感にとぼしく、当事者のニーズからかけ離れてしまうこともないとはいえません。


この一斉介護方式にかわるシステムとして登場したのが「ユニットケア方式」です。10人程度の少人数でひとつのグループを作り、専属スタッフがケアにあたります。これにより食事・排泄・入浴という最低限の介助だけでなく、ひとりひとりに密着した介護が可能となります。お年寄り自ら調理や配膳に加わり、グループの共有スペースで食卓を囲む場合も。


入居者同士の交流も深まり、居室のベッドと食堂だけの行き来だった生活に、「たまり場」に集まるといった別の要素が生まれることも報告されています。結果的に自分なりの生活リズムやライフスタイルを取り戻すことが可能に。「生活感ある暮らし」を実現する手段として、ユニットケアは今、大いに注目されているといえるでしょう。