卵は心筋梗塞の危険因子ではありません!

egg consumption and myocardial infarction
卵を食べても心筋梗塞にはなりません!
卵は確かにコレステロールの含有量が多い食べ物です。その大部分は黄身にあり、数100mgのコレステロールを含んでいます。一般によく言われるのは、コレステロールを多く含む卵を食べると高コレステロール血症になるという単純な論法です。

食品に関する調査はいろいろな方法があります。一つは実験前に採血してコレステロールを測定し、その後、卵の摂取量を増やして、再度採血してコレステロールを測定する方法です。数字にはばらつきがありますが、確率でいうと、1/3の人が上昇、1/3が変化せず、1/3の人が減少という結果になりがちです。上昇した人について、細かく見ると、総コレステロールは確かに上昇していますが、同時に、いわゆる善玉コレステロール(HDL-コレステロール)も増加しています。指数が小さいと良いとされている動脈硬化指数=(総コレステロール-HDLコレステロール)/HDLコレステロールを計算するとかえって、減少している事もあります。

別の方法は食習慣を調べて、特定の疾患(この場合は卵の摂取と心筋梗塞の発症)を調べる方法です。長い期間が必要ですが、長期的な影響を知ることができます。この調査の結論として、日本人の場合、卵の摂取と心筋梗塞の発症は関係がないということが、最近報告されました。卵は心筋梗塞の原因にはならないのです。


卵を安全に食べよう! 生卵は加熱調理を

avidin and biotin
ビオチン(黄色い○の集まり)がアビジン(青い帯)と結合すると腸から吸収できなくなります。
卵を加熱調理しようという理由は2つあります。1番目はサルモネラ菌による食中毒の予防のためです。夏場になると牛丼屋からの卵の持ち帰りができなくなるのは、サルモネラ菌対策のためです。

自家製のマヨネーズを室温で保存して起きたサルモネラ感染の報告があります。一方、品質管理がされた上で流通している市販のマヨネーズは酢の殺菌力により、病原菌が増殖する事もなくて、安心して使用できます。

2番目は、理論的なもので、実際おきるかどうかは分かりませんが、B群のビタミンの一つのビオチン不足を予防するためです。実は生卵(生卵白)は、アビジンというビオチンと結合する性質が非常に強い蛋白質を持っています。ビオチンアビジンが結合すると結合力が強いので分解できずにビオチンを吸収する事ができなくなります。ただ、生卵(生卵白)を10個単位で長期間摂取しないと起こらないとされています。

生卵が健康に悪いというと、マヨラーの人たちは心配するかもしれませんね。でもマヨネーズに使用するのは卵黄です。もし卵白が混じっていても、酸でアビジンの構造が変わってしまうので、ビオチンと結合する力はなくっていますので心配ありません。ただし、マヨネーズの大量摂取はコレステロールを含む卵黄を大量に摂取したのと同じです。人によっては、総コレステロールの上昇の原因となります。


風邪のシーズン。卵酒は風邪に効く?

最後に一つ。民間療法としての卵酒についても触れておきましょう。卵は完全食品とも呼ばれます。ヒトが必要な栄養素で加熱調理した卵に含まれていないのは、極論するとビタミンCくらいです。卵の摂取が日常化したのは江戸時代とされていますが、その当時として、栄養価がとても高い食品の代表が卵だったのです。風邪のときにすばやく体力をつけるために、簡単に加熱して安全に摂取ができるという点では、卵酒がというのは理にかなっていたと思います。

しかし現在では、卵(卵酒)以外にも栄養豊富な食品がありますので、特に卵酒はお勧めしません。特に最近流行の消化器症状がある場合は、卵よりもヨーグルトの方がよいかもしれませんね。



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