漢方・漢方薬/肩こり・腰痛・ぎっくり腰の漢方

温めると楽?疲れで倍増?痛み別の腰痛対策(2ページ目)

検査をしても異常がないのだけれど、腰のダルさがなかなか取れない……。内臓に異常があるわけでもないのに、腰痛で悩んでいる方が意外と多いようです。今回は漢方で考える腰痛の対処法や分類方法をご紹介します!

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド

タイプ別!オススメ漢方薬

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産後の腰痛……。もしかして腎機能の低下が原因かもしれません
自覚症状がポイントとなる漢方。さっそくタイプ別の腰痛対策にまいりましょう。


■寒さと湿気が結びついたタイプ
寒さと湿気が腰部にダメージを与えるので、腰を温め、体内の余計な水分を取り除く「甘姜苓朮湯」(かんきょうりょうじゅつとう)をベースに、血行を促進し、水分代謝や腎機能を高める「独活寄生湯」(どっかつきせいとう)などを加えてもいいでしょう。

■熱と湿気が結びついたタイプ
湿熱による関節炎などに用いられる「二妙散」(にみょうさん)に牛膝(ごしつ)、ヨクイニンを加えた「四妙散」(しみょうさん)などが代表的です。ちなみにヨクイニン=はと麦で、牛の膝と書く牛膝は実はヒユ科の根っこ。血行促進や利尿作用もある生薬です。

■血行不良タイプ
刺されたような痛みがあるので、止痛作用の高い漢方がオススメですが、代表的なものに「身痛逐オ湯」(しんつうちくおとう)があります。名前からして効きそうですよね。ただし残念なことに配合されている生薬のうち、没薬(もつやく:樹脂)、五霊脂(ごれいし:ムササビ科のフン、地竜(みみず)は日本では取り扱えないかもしれません。

■腎の働きが低下したタイプ
腎機能を補い、生殖器系の働きを高めたり、下半身の冷えなどにもいい代表薬として「八味地黄丸」(はちみじおうがん)があります。手足のほてりなどがあれば、この八味地黄丸から2つの生薬を除いた「六味地黄丸」などもいいでしょう。


なお、急性の腰痛に「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)を多用するドクターもいるようですが、やはり漢方はその人にあった体質やそのときの体調によって処方を選ぶことが重要です。もちろん、お薬を購入したい場合は漢方の専門家にご相談くださいね。
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