花粉症対策には使い残した風邪用マスクを活用!
風邪予防のマスクも花粉症には有効です
マスクの役割は、その細かい目で花粉やウイルスを捕らえることで、人体に害を及ぼさないようにすることです。このマスクの網目の大きさに注目してみましょう。風邪予防のマスクは普通の顕微鏡では目に見えないような、ごく小さなウイルスの通過を防ぐために非常に細かく織り込まれています。これに対して、スギ花粉は顕微鏡でも確認できる20~30ミクロンほどの大きさです。
花粉症用のマスクはウイルスを通過させてしまいますが、風邪予防のマスクはウイルスと同時に花粉もシャットアウトすることができます。冬の使い捨ての風邪予防用マスクの余りを活用すれば、花粉と同時に黄砂の予防をすることもできます。正しいマスクのつけ方やマスクの種類については、「風邪を予防する正しいマスクの使い方」をご参照ください。
花粉症対策マスクで、黄砂による健康被害も予防!
花粉症の季節は、黄砂の舞う季節でもあります。大陸では無害であった黄砂も、大気中のカビ、細菌毒素であるリポポリサッカライドなどの様々な有害物質を含んで海を越え、日本に降り注ぎます。有害物質を含んだ黄砂を吸い込んでしまうと、気管支喘息を始めとする各種のアレルギー性疾患に影響を与える可能性がありますので、花粉だけでなく黄砂も予防すべきです。以前、ある学会でも黄砂と喘息の関連性が示唆されていました。黄砂の粒子の大きさはまちまちですが、花粉よりも小さな粒子であることが多いので、花粉症用のマスクだと、小さな黄砂を吸い込んでしまう恐れもあります。これを効果的に予防するためには、やはり前述の風邪用のマスクが適切です。また、黄砂は花粉と同じように髪の毛やウールの素材などに付着してしまいます。衣服や髪をパッパッと払って、できるだけ家庭の中に持ち込まないようにしましょう。
黄砂と花粉は(それから仕事も)家の中に持ち込まないに越したことはありません。黄砂の身体への影響と対策法については、「黄砂の影響?長引く風邪にはご用心」や「もはや風物詩ではない!黄砂の対策を」を併せてご覧下さい。
鼻づまり解消の裏技……ペットボトルでできる鼻づまり対策
例えば右の鼻がつまったとき、左側を下にして横に寝ると、なぜか右の鼻の通りが良くなります。これは、わきの下にある自律神経が圧迫されたことで、鼻の粘膜の充血が改善されるためだそうです。これを応用したのがペットボトルで鼻づまりを改善する方法です。東京都内のある病院の耳鼻科の先生が考案された方法だとお聞きしています。空になったペットボトルをわきの下にぐっと挟み込みます。これだけで、数十秒もしないうちにペットボトルを挟んだ方と反対側の鼻づまりが、一時的に解消されるというものです。ガイドも試してみましたが、確かに効果がありました。ペットボトルを挟み込む位置や効果には個人差があると思いますが、とても手軽なので一度試してみる価値はあるかと思います。
なお、ペットボトルでなく、ボールなどでも良いと思います。大切なのは、挟みやすさと身近にある素材を利用することです。一時的な効果ですので、スポーツや睡眠時のような長時間の鼻づまりを解消するためには、市販の鼻腔拡張テープがお勧めです。
花粉症症状に効く内服薬の注意点
花粉症の治療に用いられる抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤)には、眠気という副作用がつきまといます。眠くならないから安心……と思っている人も、注意は必要です。眠気として感じなくても、運動機能などを主体とする能力の低下、インペアード・パフォーマンス(Impaired Performance)と呼ばれる副作用が潜在していることもあります。インペアード・パフォーマンスが出現するかどうかは、個人の体質と抗アレルギー剤の種類にもよります。この場合、内服薬だけでなく点鼻薬(ステロイド)を併用すると、副作用を抑えつつ花粉症をコントロールできる可能性があります。眠気や日中の能力の低下が気になる方は、こうした点鼻薬を併用したり、あるいは漢方薬(鼻水を止めるには小青竜湯など)を併用すると良いかもしれません。
薬局で販売されている市販薬は、概して有効成分が医療機関で扱う薬剤常用量より少ないのが一般的ですが、有効成分が複数含まれている配合剤であることが多いため、人によっては市販薬だけでも十分効果があるようです。ただし、処方箋なく購入できる手軽さのある反面、やや割高になるのがネックですね。
花粉症対策・治療法については、「自分でできる花粉症対策」や「花粉症の治療」もよろしければご覧下さい。