そもそも嘔吐下痢症とは?
腹痛を伴う嘔吐と下痢は、辛いものです。 |
■嘔吐下痢症の主な症状
- 発熱(2-3日で下がることが多い)
- 嘔気・嘔吐
- 下痢(ロタウイルスの場合は白色便)
- 腹痛
など
アトピーで嘔吐下痢にかかった時は?
前回のインフルエンザ同様、一般的な症状の他に、アトピー特有の症状があります。症状の原因を正しく知り、効果的な対応を取りましょう。
- 発熱のため、かゆみが増す→体を冷やす・解熱剤で下げる
- 入浴できず、アトピーの湿疹がひどくなる→体を拭く
- 嘔吐・下痢・食欲低下のよるビタミン不足で肌荒れ→ビタミン剤などを飲む
- 下痢のため、おしりの湿疹がひどくなる→おしり洗浄が付いている便器なら、それを使う。小さな子供の場合は、オムツの場合はできるだけこまめに替えてあげる・おしりだけでも洗ってあげるのが有効
以上のような症状と対策は、インフルエンザの時と大体同じです。
また特徴的なことがもう一つ、
など
嘔吐下痢症の予防と治療
どんな病気予防にも、基本が大切。手洗い・うがいをしっかりしましょう |
■基本的な予防法
- 手洗い・うがいをする→特にトイレの後や食事前には手を洗う
- 人ごみを避ける
- 便を介してうつるので、手洗いをきちんとする
- 食物に注意→十分に火を通したり、調理法に工夫
- 普段から体調管理→ストレスや過労はアトピーにもよくありません(アトピーの原因を参照してください)
■早めが肝心の治療法
残念ながら、嘔吐下痢症のウイルスに対する特効薬はないのです。すぐに治すことはできないので、出ている辛い症状を少し抑えたり、体へのさらなる悪影響を防いだりするしかありません。
- 水分補給(電解質飲料などの補給)→下痢や嘔吐から水分が体から出ていくので、脱水に注意
- 鎮痛・解熱剤(アセトアミノフェンが中心)→基本的に熱を下げているだけになります
- 下痢止め・嘔気止め→下痢の回数を減らしたり、嘔気を抑えます
- スキンケア→下痢便は皮膚炎を起こしますので、なるべく洗うようにします
など
■下痢止めについて
体は、異物を排除しようとします。下痢は、そのメカニズムによる症状の一つで、下痢によって病原体を体から出す役割があるのです。しかし、下痢の回数があまりに多いと辛いですよね。下痢止めを使って、少しでも抑えるというのも、一つの方法。とはいえ、下痢止めでもすぐには下痢は止まらないことが多いのです。
基本的には、嘔吐下痢症は、とにかく予防に努めましょう。かかった場合は、早めに医療機関を受診してください。
ロタウイルス:レオウオルス科ロタウイルス属のウイルス。大きさは約70nm。A,B,C群の3群に分けられる。A群による下痢症が最も多い。
アデノウイルス:DNAウイルス。大きさは約80~90nm。胃腸炎だけでなく、扁桃炎・咽頭結膜熱(プール熱)・流行性角結膜炎(はやりめ)・肺炎などを起こす。
ノロウイルス:カリシウイルス科に属する小型球形ウイルス。RNAウイルス。原因として生ガキに多いといわれている。
【第1回】アトピーとインフルエンザ
【第2回】アトピーと嘔吐下痢
<参考リンク先>
冬、子どもの下痢の原因と対策(All About 子供の健康)
全国で多発!ノロウイルスの正体(All About 介護)
冬の嘔吐下痢症
ウイルス性胃腸炎
アデノウイルス感染症
ノロウイルスに関するQ&A